パンク修理やロングライドの予備として、使用頻度の多いロードバイクのチューブ。
「自転車に合ったサイズのチューブが欲しいのだけど、どれを選んだらいいのだろう?」って迷ったことありませんか?
私も、最初の頃はチューブの種類がありすぎて、よく分かりませんでした(^_^;)
ネット通販で適当に購入して失敗したのも、今となっては良い思い出。懐かしい出来事ではありますが、みなさんが経験する必要はありません。
数字の読み方さえ理解しておけば、とっても簡単。初心者が、サイズ選びを間違えないように順をおって解説していきます。
- ロードバイクに使うチューブの選び方
- サイズ選びのポイントは4つ
- 使ってみて良かったオススメのチューブ
【間違えない】ロードバイクに使うチューブの選び方
初心者が抑えるべき情報(規格)はたったの4点のみ。
ロードバイクで適正なチューブを選ぼうと思ったらどれも重要ですが、特に大事なのは①と③かなぁ。この2つの間違えたら「使えない」ということになりかねないので、注意してください。
これら4つのポイントについて、どのように確認したらいいのか解説していきます。
まずは愛車の規格をチェック
確認方法はとっても簡単。前後どちらでも構わないので、タイヤの側面を見てみてください。
実は多くの情報が記載されているパーツなんですよ。
「えっ?チューブの話じゃなかったっけ?」とお思いかもしれませんが、タイヤの規格に合わせてチューブを決めるので、まずはタイヤの確認をしなければなりません。
側面を見てみると、メーカーのロゴだったり、メーカーのブランド名だったり、数字が記載されています。
これが今回の主軸となる大事な情報です。
写真1枚目だと「700×23c」、写真2枚目だと「25mm」と表記されています。
ママチャリに慣れた人だと、ここで違和感を感じるはず。
タイヤ(ホイール)の直径
ママチャリなどの自転車のタイヤはインチ表記が一般的ですが、スポーツバイクのタイヤサイズは「700c」が大半を占めます。
と言うより、オンロードを走るロードバイクの場合、ホイール径は1種類のみです。
700cの「700」はタイヤの直径
ホイールの直径が700mmという意味になります。
シティサイクルのインチはタイヤの直径サイズを表していますが、「700c」の700もタイヤのサイズを表しています。
700cの「c」は規格の種類
700cの「c」は単に規格の種類を表す記号です。
以前は、リム幅によって700aや700bといった規格のタイヤもあったのですが、700cだけが残った状態となっています。
グラベルロードのようにオフロードを目的としているバイクには650Bという規格が採用されていますが、基本的には「700c」と覚えましょう。
700cタイヤの特徴
ロードバイクで700cタイヤが採用される理由は2つあります。
タイヤの直径が大きければ大きいほど、ペダルを一回転させたときに進む距離が長くなり、スピードを維持しやすくなります。
また、車体と地面までの距離が長いので、路面から受けるショックを抑えることができます。
タイヤの横幅(太さ)
次に「700×○○c」の「〇〇c」のお話。
ロードバイクだとホイール径は、700cしかないと説明しましたが、タイヤの横幅は目的によって種類が分かれています。
25Cの「25」はタイヤの太さ
「C」は何かというと、「タイヤの横幅」の規格になります。
「C=mm」と思ってもらって問題ありません。つまり25Cの場合、約25mm幅のタイヤ。23Cだと、約23mm幅のタイヤを指します。
数字が小さくなるほど細くなり、大きくなるほど太くなります。
ほんの数年前までは、ロードバイクのタイヤといえば23Cが主流でした。
ホイールのワイドリム化(C15⇒C17)に伴い、25Cが主流となっています。
ロードバイクのホイールは一部例外を除き、ほぼ700cというサイズで統一。
この直径はフレーム設計にも影響が出るため、基本変えることができず、変更できたのはタイヤの幅ということになります。
各タイヤ(23C/25C/28C)の特性と比較
良い点 | 悪い点 | 備考 | |
---|---|---|---|
700×23C | 速さ・軽さを優先 | 不安定・衝撃吸収性が弱い | C15のホイール向け |
700×25C | 転がり・安定・乗り心地のバランスが良い | 中途半端 | C17のホイール向け |
700×28C | グリップ力・高い安定性・乗り心地重視 | 重さ・転がり抵抗の高さ | クロスバイク向け |
タイヤ幅が細くなれば、軽く走れる反面、地面からの振動は増えます。
逆にタイヤを太くすれば、クッション性や快適性は増えますが、走りが重くなります。
ロードバイクのタイヤが細い理由
初めてロードバイクに乗る人は、「タイヤがこんなに細くて大丈夫なのか?」と不安になる人も多いでしょう。
ロードバイクはレース(競技)用の自転車なので、速さに特化しています。
路面からの摩擦を減らすため、タイヤはとにかく細く、ひたすら高い空気圧で硬くするのが「良し」とされてきました。
最近では趣味としての用途も増え、転がり抵抗やスピードを犠牲にはしますが、タイヤを太くしてクッション性や快適性を高めたタイヤも人気です。
バルブの種類
自転車のバルブには3種類あります。
仏式(ふつしき) | ロードバイク、クロスバイク、MTB全般 |
英式(えいしき) | 一般的な自転車、ママチャリ、シティサイクル |
米式(べいしき) | 自動車やオートバイ |
「ふつしき」とも言ったり、フレンチバルブとも言ったりしますが、意味は同じ。
バルブの形状が高圧に耐えられる構造になっています。
バルブの長さ
「仏式バルブ」にも、色々と長さがあります。短い物は34mm、長い物だと80mm以上。
一般的に売られているのは、40mm~60mmくらい。
標準的なサイズだと「42mm」か「48mm」を選ぶと間違いないと思います。
バルブ長がホイールのリムハイトに合わせる
バルブ長は使っているホイールのリムハイトによって選ぶものが変わります。リムハイトとは、リム部の高さの指します。
私が使っているホイールのリムハイトは50mmのディープリムと呼ばれるもの。
写真のように高さのあるリムに関しては、リムの幅より長いバルブを使わないと、リムからバルブの頭が出ないため空気を入れることができません。
つまり、この場合は60mm以上のバルブ長が必要となります。
バルブ長はリムの高さ+15~20mm
バルブ長の決め方は、リムハイトに影響されるわけですが、一般的に「リムの高さ+15~20mm」と言われています。※「+20~30mm」と言われる場合もありますが、そこはお好みで。
「+10mm」は短すぎるので、オススメはしません。
「+30mm」だとちょっと長くて、不格好に感じちゃいます。
ただし、短いよりは長いほうがいい。低いリムに長いバルブを付けても、大きな問題が起こるわけではありません。大は小を兼ねますし、ホイールを変更しても流用できるのは嬉しいポイント。
ロードバイクの完成車についているホイールならば、42mmか48mmで十分です。
チューブは対応するタイヤサイズに幅がある
ホイールの直径も分かって、タイヤの太さも分かって、仏式のバルブ長も分かって、「いざ購入!」ってなった時に戸惑う点があります。
それがコチラ。
タイヤと違ってチューブは伸縮性があるため、使える太さに幅があるのです。
700×18-28Cの場合、18mm~28mmのタイヤ幅に使用できるチューブとなります。
実際に使うとなると23C、25C、28Cの3種類ですね。
タイヤ幅で迷った時は軽い方を選ぶ
チューブは空気で膨らむので、色々な幅のタイヤに対応してくれますが、基本的には、チューブの最大数値を使用するタイヤの幅に合わせるのがいいかと思います。
違う言い方をすると、サイズで迷った時は、細い方(軽い方)を選びましょう。
私だったら、②を選びます。
将来的にタイヤを28Cに太くするつもりなら①もあり。
25Cで③は選びません。
③を選ぶときは、グラベルロードなどで32Cのタイヤを使う時です。
ロードバイクのチューブ|おすすめ4選
ロードバイクのチューブは、規格さえ合えば、好みで好きな物を選んで大丈夫です。
大体1本750円~1000円で、重さは100gが基準となります。
60~70g台になると軽量チューブと呼ばれ、1本が1500円ぐらい。
私はだいたい下記の商品を使ってます。
パナレーサーのサイクルチューブ
日本で一番売れているだろう自転車のチューブ。国産メーカーらしく、品質が良く安い。
どの店でも販売しているので、入手性が高い。
チューブ幅は700×23~26Cまで対応。重量は90g前後。
34mmは短すぎるので、普通のホイールは48mmを選択しましょう。
パナレーサーの軽量チューブ|R’AIR
ロードバイク乗りに一番多く使われている軽量チューブ。
こちらも国産メーカーのパナレーサー製。
価格は2本で3,000円となりますが、前後40~50gの軽量化に繋がるので、コスパは良いと思います。
「パンクしやすい」と批判される事が多いですが、ユーザーの分母数が多いので、色んな意見が出るのでしょう。適正な取り扱いをして、適正な空気圧で運用していれば、そこまでマイナスイのメージはありません。
チューブ幅は700×23~28Cまで対応。重量は75g前後。
今回は説明していませんが、バルブコアを外せる2ピース仕様とノーマルが存在しています。
2ピースならば34mmのみ、ノーマルの仏式バルブなら48mmを選択すればOK。
詳しいインプレ・レビューはコチラをご覧ください。
コンチネンタルのRace28 Wide
名作のタイヤGP5000(GP4000)を生み出したドイツのメーカー。
昔は海外通販で安かったのですが、今ではAmazonでも購入可能。
対応するタイヤ幅は25~32Cまで。バルブ長も42mmとちょうどいい。
重量はちょっと重めの100g前後。しかし、価格と性能のトータルバランスが良く日常使いに安心です。私もメインで使っています。
バルブコアを外せる2ピース仕様。
シュワルベのチューブ
タイヤ、チューブともに耐久性に定評のあるドイツのメーカー。
対応するタイヤ幅は18~28Cと幅広い。重量は120g前後。
重い分だけ、耐パンク性能は高く、通勤・通学ならこれ一択です。
バルブ長は40mm。コンチネンタルと同じくバルブコアを外せる2ピース仕様。
私はクロスバイクに使用。
まとめ
チューブ選びにおける4つのポイント、分かって頂けたでしょうか?
最後に、本記事の要点をまとめておきます。
欲しいチューブを確認する流れはこんな感じになります。
700cとか25Cとか訳の分からない数字(規格)が出てきましたが、要するにサイズ表記であり、「C」は「mm」と同じ意味です。
ロードバイクの場合、「700c×25Cのバルブ長48mm」を選んでおけば、失敗も少ないでしょう。
仏式バルブかどうかの最終チェックが終わったら、あとはポチるだけ。
それでは、今回はここまで。
最後までブログを読んでくださり、ありがとうございました。
コメント
昔(2020年まで)の規格と、今の規格では25Cの基準が違い、ETRTO2021では25C、28Cタイヤともにリム内幅19mmのときのタイヤ幅と規定されています。
ですから、前規格で25Cのタイヤは28Cに名前を変えて売られているわけで、標準装備タイヤも軽量オールラウンダーは28C、エンデュランスは30C~32C、クロスバイクは32~35Cとなってきてます。
コメントありがとうございます。
規格変更については知らなかったため勉強になりました。
ただ新旧入り混じっている状況で、
同じ25Cでもタイヤ幅が違うのはややっこしいですね~。、
今生産されているものは全て新規格です。
コンパウンドの劣化防止のため、変更後数年経った今は旧規格タイヤは中古やデットストックでしか売っていません。
また700Cは昔のタイヤ込みの外径寸法で十年以上前から実態とズレていたので、それも直されタイヤに書いてある正式名はリム径622×タイヤ幅に変わってます。