長年、ロードバイクやクロスバイクに乗っていると遭遇する自転車の交通事故。
今回からは、当日にやるべき事について解説します。
この初動をミスしなければ、のちのちに困る事はないかと思います。
結論から申し上げると、当日に注意することは下記の4点。
自転車とクルマを想定していますが、全てに通じることです。
- 被害者ならば加害者の身元を確保する。⇒ 車のナンバー、免許証、連絡先etc
- 事故の大小に関わらず警察(救急車)を呼ぶ。⇒ 当事者同士では絶対に解決してはいけない。
- 人身事故扱いにする。⇒ 被害者として物損にするメリットがない。
- 大したことないと思っても病院へ行く。⇒ 痛くなくても検査は必須。翌日以降に痛みが出ることは珍しくない。
どうですか?
実際に事故について調べた人や知識のある人からしたら、「えっ?普通に常識じゃん。」って思う事ばかりだと思います。
しかし、事故という特殊な状況下の中では、動揺やパニックを起こし普通の事ができません。
被害者ならば加害者の身元を確保する
加害者は逃げるものと想定して行動する
「加害者と被害者の身元を交換しましょう。」
多くのサイトで、さも当たり前のように記述されている一文。
それがこの「身元の交換」という行為。
110番をした後に、礼儀正しくお互い免許証の提示をするのが普通だと思っていません?
しかし、私は被害者の立場から言い換えさせてもらいます。
まずは「加害者の確保」であると!
相手がクルマだろうが、自転車だろうが、関係ありません。とにかく相手が逃げないかどうかを見張ること。
サラピエの体験談だと、3度の交通事故のうち、2度は加害者が理由をつけて逃げようとしています。クルマで自転車に接触しているにも関わらずです。
「すいません」と謝りつつも、「用事がある」「急いでいる」「携帯の電池がないから警察を呼べない」と逃げようとするんですよヤツらは。
逃げる素振りがあったら、ひき逃げの証拠を押さえる
突然のアクシデントに「?」状態。頭は混乱していることでしょう。
しかし、意識がある限り、痛みを我慢してでも加害者が逃げるかどうかに意識を向けてください。
- 逃げる素振りがあるなら、動画や写真を撮る。
- それが無理なら「ひき逃げ!」と叫ぶ。
- なりふり構わず、周りの人に助けを求める。
無理を言っているのは承知しています。痛みで動けないこともあるでしょう。けど、このときに加害者を逃がしてしまったら、犯人捜しに余計な労力を使うことになります。
相手がクルマだろうが自転車だろうが逃がさないことが重要だと私は思います。逃げ得は許すなっ!
相手が「大丈夫」と言っても、ひき逃げです
逆に加害者になったら絶対に逃げてはなりません。緊急措置義務を怠ったとして「ひき逃げ」の犯人といして逮捕されますよ。
罪が重いと思いますか?でも、加害者になった時点で「その場から立ち去る」という行為が最大の過ち。
第一に考えるのは被害者のことです。率先して警察を呼び、緊急措置を行いましょう。もう、腹を括るしかなんです!
事故の大小に関わらず警察(救急車)を呼ぶ
ケガをしていなくても転倒や接触があった場合は警察を呼ぶ
さて、加害者の確保の次は警察へ連絡。これも基本中の基本。
ケガの大小、被害の大小に関わらず絶対に警察は呼びましょう。
なぜなら、国家権力たる警察に「事故があった」という事を証明してもらうためです。
「大事になるなぁ」「面倒だなぁ」と思う気持ちは理解できますが、諦めてください。
色々なことで半日は時間が潰れますが、これをしないと後々に自分が困ります。
警察に通報しなかった後悔<用事を優先させたばっかりに>
アホでしょ~?
馬鹿でしょ~?
加害者からしたらシメシメですよ。
タイムマシンがあったら過去に戻って自分をビンタしたいぐらい。
もちろんテストには間に合いましたが、その夜から右肩がズキンズキンと痛み始めました。そして、愛車のロードバイクは前輪だけでなく、フロントフォーク全体が歪んでいました。
通院するための治療費は誰が負担しますか?
ロードバイクの修理費は誰が負担しますか?
もちろん、自分です。
だって世間的には事故は起きてないんですから。
相手を探そうにもだれか分からない。警察に通報しなければ、治療や修理にかかる金銭的負担は自分に降りかかることを理解してください。
警察官にはしっかりと人身事故にする意思を伝える
日本全国には約25万人強の警察官がいるとされています。なので警察官の質はピンキリ。
被害者に寄り添ってくれる警察官もいれば、そうでない場合もあります。
中には「人身扱いにするとあなたの過失も問われる」「人身扱いにすると相手が処罰されてしまう」なんてことを言ってくる警察官もいますが、そんな発言は無視してください。
接触や転倒があれば、絶対に「人身事故」扱いにしましょう。
良識のある警察官ならば、被害者が物損扱いにしようとしていても「後で人身事故にも変えられますから」と助言はくれます。
じゃあなぜ、警察官が被害者に寄り添わない発言をする場合があるのか?
・人身扱いにすると、警察は実況見分を行う専門の係を呼ぶ必要がある。
・事故報告書を作成しなければならない。
要するに仕事の手間が増えるんです。しかし、それは警察の事情。あなたは「自分の体だけのこと」を第一に思ってください。
過失割合をハッキリさせる目撃者は重要
また、交通事故になるとお互いがお互いの主張をしてしまい、水掛け論となることが珍しくありません。のちのちに性格が豹変して「主張を変える」「嘘をつく」なんて事もよくある話。
そのため、少しでも正確に状況を把握するため、目撃者がいるならば、証言をお願いしましょう。
人身事故扱いにするための注意点
ロードバイクやクロスバイクで走行中にクルマと接触する。さらに、接触で転倒した場合は、人身事故扱いが妥当かと思います。
加害者や警察の言うことに流されて物損にしてはいけません。「相手に悪いかも」「警察がそう言うなら」と相手に流されない強い心をもってください。
実況検分は事故直後に現場で行うもの
実況検分とは警察が現場を検証し、事実確認や証拠保全を行うことを指します。
現場検証と混同されますが、一般的な交通事故では実況見分がほとんど。違いは事件性の有無から強制力があるかないか。
供述書は後日、警察署で行うもの
供述書とは被害者(または加害者)の供述を第三者(警察)が聞き取ったうえで作成する書面を指します。人身事故の場合は、病院の診断書をこの時に渡します。
事故後は警察署または交番で「事情聴取」が行われ、事件の経過や当事者の思いを警察官が文章化するんです。訴訟になればこの書面が重要になるので、文言に妥協はしないでください。
被害者:「処罰をお願いします。」
警察官:「では我々に任せるということでいいですね?」
被害者:「はい、それでいいです。」
これは警察の引っ掛けで、仕事を増やしたくない警察は処罰を行いません。だって任されたのだから。
害者が善意のある人ならば、わざわざ処罰を求めなくてもいいですが、そうではない悪人も世の中には存在します。
転倒や接触がある場合は、病院へ行く
加害者を確保して、警察を呼び実況見分が終わったら、病院に行って診察を受けましょう。
救急車を呼んだ場合は、実況見分と病院の順番が逆転します。
後で痛くなるから、絶対に病院には行く。
これも多くのサイトで記述されていること。
痛くないと思っていても絶対に後で痛みが出てきます!私は3回ともそうでした。事故直後は、本当に何でもないんです。でも、当日の夜や翌日にズキンズキンと痛くなることは珍しくありません。
これは脳内にドーパミンが分泌されていて痛みを感じ辛いせいです。ある種、天然の麻酔。ひと段落して落ち着く夜から、痛みをだんだんと認識するようになります。
なので、大丈夫と思っても病院に行くこと。そして、痛み止めは絶対に貰うこと。
夜、寝られませんよ~。
転倒や接触があったら救急車を呼ぶべき
私が救急車を利用したのは、後ろから追突されたとき。
「うっ!?・・・・痛ったぁ・・・くっ・・・つ」と道端にもんどりを打っている間に、加害者が呼んだ救急車が到着。近場の病院に搬送されました。病院内では待ち時間なしで優先的に診てもらえました。
他の2回は、救急車ではなく、タクシーで病院へ行きました。救急車は大げさと判断したのですが、それが裏目に。受付してから診察まで1時間ぐらい待った記憶が・・・。待っている間は痛みとの闘い。
救急車をタクシー代わりに使う人々が問題視され、多くの議論を呼んでいます。
なんでもかんでも救急車を使えという意味ではなく、状況に応じて必要ならば遠慮なく利用するという意味ですので、そこは間違えないように。
「大丈夫です」という医師を信じるな!
救急車で運ばれたら、大きい病院の救急外来に運ばれるかと思います。
そこでは、まずレントゲンを撮られ骨が折れているかどうかを確認されました。症状によっては、CTスキャンやMRIで検査をするかもしれません。
打撲や打ち身など見た目が派手でない場合、ちゃんと調べもせすに「大丈夫です」「問題ありません」というヤブ医者がいるんです。
骨だけを診て、靭帯や神経のことをまったく無視しているんですね。
当日に痛みが治まることもなく、一睡もできませんでした。
翌日、違う病院に行くと「絶対安静」となり、即、治療が始まりました。
まずは自分の体の痛みに正直になること。医者が大丈夫と言っても「痛み」を主張しましょう。
交通事故に合った当日にやること|まとめ
最後に、本記事の要点をまとめました。
- 加害者を逃がさないこと。
- 事故の大小関わらず、に警察(救急車)を呼ぶ。
- 後々の補償のため、人身事故の扱いにする。
- ケガの大小関わらず、病院で検査をしてもらう。
交通事故、自転車事故に遭遇してしまったら、この4つは徹底してください。
それでは、今回はここまで。
最後までブログを読んでくださり、ありがとうございました。
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