事故の治療とリハビリで長期間、趣味の自転車から離れておりました。今月からブログを再開し、色々と手探り状態の自転車ライフを送っております。
くしくもサイクルロードレースのシーズンでもあり、7月初めから熱い熱いツール・ド・フランスを観戦するのが日課。近年ではポガチャルがスター選手なんですね。
とある日、ながらテレビしていると実況から下記のような言葉が聴こえてきました。
「今のロードバイクのタイヤは28Cで、空気圧も4気圧ぐらいでクッション性がいいんですよ。」
えっ・・・?そうなん?
25Cのタイヤにガチガチに空気いれるの主流じゃなくなったの?
私の中にあるイメージはどうやら2024年のトレンドじゃないらしい。
少し混乱しながらも画面を凝視するサラピエ。液晶テレビの中を走る選手たちは45km/hのスピードで走っていました。
というわけで、今回はその時のサラピエの頭の中を文章化しつつ、ロードバイクのタイヤの歴史を振り返ってみようと思います。
クロスバイク購入|リム幅15C、タイヤ幅28Cだった
GIANTの大ヒットモデルでかつロングセラーのクロスバイク(escape R3)を購入したときのこと。
当時の規格は、15Cのリム内幅に700×28Cのタイヤが装着されていたと記憶しています。
つまり、リムの内幅15mmのホイールに、タイヤの横幅28mmがGIANT純正の組み合わせでした。
通勤通学や街乗りメインのモデルだったので、タイヤにボリュームを持たせた快適仕様。ママチャリからの乗り換えでしたので、車体の軽さやスピードの速さにはビックリしました。
クロスバイクからロードバイクへ乗り換えたときよりも、衝撃的だったのを今でも覚えています。
その後、クロスバイクのカスタマイズに色々とハマり、ホイールをシマノのWH-R501に交換。その頃にはすっかりと「趣味は自転車」と言えるような廃人が出来上がったのでした。
ロードバイク購入|GP4000SⅡの23Cが定番という時代
カスタマイズするにあたって当時のブログ記事を読み漁りました。
「28Cは漕ぎだしが重い」「リム幅に対してタイヤが太いのでコーナリングでよれる」「23Cは転がり抵抗が少ない」「ギア1枚分、軽くなった」というレビューばかり。専門雑誌も23C推しでした。
その影響を受け、クロスバイクのホイールをシマノに交換し、タイヤを28Cから23Cに変更。
タイヤが細くなったことにより感じたのは、「段差の突き上げがキツくなった」「通学時間に変化はない」ぐらいで、「交換してよかったぁ~」とは全くなりませんでした。その後、23C、25C、28Cと色々と変更してみましたが、鈍感系のサラピエにはね・・・・。(お察し)
その後、初めてのロードバイクを購入した頃から、コンチネンタルのGP4000SⅡのレビューを目にする事が増え、雑誌でもブログでも、700×23Cの決定版のように推される時代に突入しました。
「転がり抵抗が少なく、コーナリングでのグリップ力が強く、さらに耐パンク性能も高い」と評され、「迷ったらコレ買っておけ!」みたいな1本でした。
・・・ですよね!?間違いない認識ですよね?
ホイールのワイドリム化|17Cの登場でタイヤの規格は700×25Cへ
私の自転車ライフの中で、大きな転換期とも言えたのがワイドリムの登場(15C⇒17C)でした。
この頃、カーボンホイールが一般化してきて、フルクラムのレーシングゼロやカンパニョーロのボーラワンが、高級ホイールの2大巨頭として君臨していました。カーボンは樹脂ですので熱や衝撃に弱く、リム内幅を17C(mm)にすることで強度を上げられるという謳い文句だったと記憶しています。
それまでタイヤは「23C!23C!」と言われていたのが、急に「25C!25C!」と持て囃されるようになった事に、不信感を覚えたものです。
また700×25Cのタイヤとの組み合わせは、リムとの段差が小さくなるので空力的に優位という宣伝も良く見かけました。
その頃のサラピエ「ほんまかいな🤔」
※ディスクブレーキ時代と前後しますが、2018年にコンチネンタルのGP4000SⅡからGP5000へモデルチェンジが図られたときに、基準となったのは700×25Cでした。もちろんリム幅は17Cです。
ディスクブレーキ&グラベルロードの登場|700×30Cへ
2016年頃から、悪路を走ることを想定したグラベルロードという概念が生まれ、ディスクブレーキが装備される時代がやってきました。
それまでは、ホイールのリムを両側からキャリパーブレーキで挟むことによりスピードコントロールを行う方式。オートバイやMTBに使われる規格がロードバイクにも流用され、ハブ軸に取り付けられたローターを挟む形に変化。
この過渡期には、ディスクブレーキについて賛否両論があり、リム派とディスク派で分かれていましたね。「雨の日でも乗れる」「制動量が段違い」とか、「STIがデカくなった」「重量が重たくなった」とか。
ディスクブレーキだとリムの自由度が増え、C17から更にワイド化。それに合わせてC19のホイールに700×30Cとか700×32のタイヤを履かせることが異端ではなくなりました。
その頃のサラピエ「もうついていけない😇」
規格統一|旧ETRTOから新ETRTOへ
昨今のワイドリムの流行を受け、2020年に制定されたリムの規格「新ETRTO(エトルト)」。
それまでリムの規格は15C(mm)と決まっていて、タイヤ幅25C(mm)を基準に設計されていました。今までの流れを見て分かるとおり、数年で多くの変遷があり、各社がデファクトスタンダードを取るべく規格が乱立。
さて、ここで困ったのが、タイヤの規格。
何が起こったかというと・・・新規格に①非対応のタイヤと②対応したタイヤが市場に溢れかえります。
これの何が問題かと言うと、「リムとタイヤの組み合わせ」によって「タイヤの太さ(実測値)」が変わってしまうという事態が発生するように・・・。
【ここで理解しておきたい大原則】
ホイールのリム幅が2mm変わると、実測のタイヤ幅は1mm変わるということ。
同じ25mm表記のタイヤでありながら、新旧の規格の違いによって、装着するホイールのタイヤの太さが変わる現象が発生する結果に・・・。
メーカーからも注意喚起がされており、自身のホイールとタイヤの組み合わせを確認して購入しなければならなくなりました。
まとめ|規格の変遷はユーザー目線ではない
さて、ときは2024年現在に戻りますが、おそらくグランツールなどに使われるホイールとタイヤは、新ETRTO規格となっているはずです。リム幅19Cのホイールにタイヤ幅28Cを装着。
旧ETRTO規格に比べると、足回りは横に大型化したわけですが、結局のところ「タイヤは太い方が速いんかーい!」というのが、正直な感想でした。
- 昔:リム15Cと700×23C ⇒「細くて固いタイヤは転がり抵抗が少ないから速い!」
- 今:リム19Cと700×28C ⇒「太くてリムと一体化したタイヤは空気抵抗が少ないから速い!」
時代時代で常識が変わることは珍しくありませんが、ロードバイク界隈は特にそれが顕著だと思います。良く言えば製品の開発が活発とも言えますし、ロードバイクの多様性が認められてきたともいえます。
その一方で、裾野の多い「ホビーレーサーやビギナーを蔑ろにしていませんか?」とも思うわけです。新規格のたびに、それっぽい宣伝や謳い文句を掲げてユーザーの購買意欲を刺激しようっていう業界の魂胆が見え隠れしている気が・・・。|ू•ω•)チラッ
今後「太いホイールとタイヤがユーザーに浸透して一巡したら、規格はまた細い方に傾いていく」なんて事にならなければいいんですけどねぇ。
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