シマノが日本国内でクランクのリコールを発表|北米では約76万台が対象

セール・製品情報

2023年9月21日、自転車部品を手掛けるシマノが、リコール(無償点検と交換)をすると発表しました。今回の該当モデルは、ロードバイク向けの11速用クランク

シマノはホローテックⅡという中が空洞になっているクランクを製造しているのですが、その接着部分が剥がれ、自転車の走行中に外れる危険性があるようです。

北米でクランクの分離・剥離が4519件、それにともなう事故・負傷が6件報告。
アメリカで約68万台、カナダで約8万台がリコールの対象になっています。

確率で言ったら約0.5%なので不必要に恐れる事はありませんが、私も2台が該当クランクとなるので今後の動きが気になります。SNSでたまに「クランクの破断」報告を目にしていたわけですが、大規模なリコールを受けるほどの不具合が原因だったんですねぇ・・・。

海外の状況を受け、日本での発表につながったと思われるので、詳細を説明していきます。

シマノ品質管理センターへ問い合わせた内容も共有したいと思います。

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リコールの対象となるクランク一覧

©shimano

対象となるのはハイエンドモデルの5種類

2012年6月1日から2019年6月30日までに製造された11速用のロードバイク用コンポのクランクになります。

DURA-ACEからはFC-9000、FC-R9100、FC-R9100Pの3種。

ULTEGRAからはFC-6800、FC-R8000の2種。

今回のリコールに、MTBやクロスバイク、街乗り用コンポーネントは関係ありません。

クランクの製造刻印を確認

©shimano

上記をお使いの方は、クランクの裏にあるモデルナンバーと製造刻印をチェックしましょう。

モデル5種のうち、下記の製造刻印(2桁のアルファベット)が印字された製品が対象となります。

製造刻印はクランクアーム内側に印字されております。(図1の赤色四角部)

KF, KG, KH, KI, KJ, KK, KL, LA, LB, LC, LD, LE, LF, LG, LH, LI, LJ, LK, LL, MA, MB, MC, MD, ME, MF, MG, MH, MI, MJ, MK, ML, NA, NB, NC, ND, NE, NF, NG, NH, NI, NJ, NK, NL, OA, OB, OC, OD, OE, OF, OG, OH, OI, OJ, OK, OL, PA, PB, PC, PD, PE, PF, PG, PH, PI, PJ, PK, PL, QA, QB, QC, QD, QE, QF, QG, QH, QI, QJ, QK, QL, RA, RB, RC, RD, RE, RF

シマノの無償点検プログラムの概要

私が保有するバイク4台のうち、2台が対象となるクランクでした。

現段階では「全国のシマノ製品を扱うショップで無償点検プログラムを受けられるようにして、必要ならば交換。安全ならばそのまま使用してもらう。」という方向性。

ただ9月末時点では詳細が出ておらず、10月末頃に続報があるそうです。

リコール品は同等品と交換してもらえる

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R9100やR8000はいまだにAmazonでも販売されていることから、在庫の心配はなさそうです。

問題はモデルが古かった場合。

FC-9000のデザインが好きで未だに愛用しているのですが、「同等品と交換となる」とのことでした。その同等品というのが、9000かR9100になるかはわかりません。

これはアルテグラのFC-6800にも言えることで、発売から10年以上経過している物は、全く同じモデルと交換というのは難しいのかもしれません。

パワーメーターを取り付けているクランクも今回は対象範囲となる

©pioneer

レースやトレーニングをメインで走る方ならば、パワーメーターを使っている人がほとんどだと思います。

パイオニアなど社外品を取り付けている場合、従来ならば「改造扱い」になり品質の保証を受けられないそうです。

しかし、今回に限り、社外品のパワーメーターであっても、無償で点検を受けられるとのことで一安心。

11速以外のホローテックⅡクランクはリコール対象ではない

アルテグラやデュラエースであったとしても、7900シリーズ&6700シリーズの10速用クランクは、リコール対象品ではないので、これからも安心して使えます。

個人的には好きな見た目なのですが、カブトガニと揶揄されたのが懐かしい・・・。もう15年も前のモデルになっちゃったんですねぇ。

今回はハイエンドモデルが対象となるので、105以下はリコール品ではありません。

シマノの無償点検プログラムの気になる点を問い合わせてみた

公表されている概要はおおよそ理解しましたが、細かい点で気になる部分があるので、実際にシマノ品質管理センターに問い合わせてみました。

フリーダイヤルが設置されているのですが、リコールの発表からしてやっと3日目にして電話が通じました。

  • シマノへクランクを送付して点検を受けられるのか?
  • 問題がった場合の交換費用は負担しなければならないのか?
  • 古いモデルの9000や6800は全く同じ物と交換してもらえるのか?
  • ユーザーでのチェック方法はあるのか?
  • 無償点検プログラムに期限はあるのか?

シマノへクランクを送付して点検を受けられるのか?

⇒直接送ることは無理

ユーザーが直接、シマノへクランクを送付して、点検やチェックを受けることはできません。かならず販売店やショップを通しての無償点検となります。

なので「自分でメンテナンスできる、できない」によって不利益は生じません。

問題がった場合の交換費用は負担しなければならないのか?

⇒無償で交換してもらえる。

クランクに不具合があり、交換が必要となった場合は、点検と同様に無償です。費用に関してはシマノが全て負担してくれます。

古いモデルの9000や6800は全く同じ物と交換してもらえるのか?

⇒まったく同じモデルへの交換は無理。

10年以上前のモデルとなると在庫がなく、同等品との交換になります。また同等品の在庫自体の確保ができていないので、また店舗で交換を受ける場合、どのくらいの期間、ロードバイクを預けなければならないかは不明。

ユーザーでのチェック方法はあるのか?

⇒ある程度の推測は可能。

絶対とは言い切れませんが、見た目や異音で判断できるとのこと。中空なので繋ぎ目に剥離や分離が見受けられないこと、またペダリングして異音がないことが絶対条件。

なにかしら違和感を感じたら、安全のために使用は中止しましょう。

無償点検プログラムに期限はあるのか?

⇒期限は設けていない。

別に現段階で問題がなければ、急ぐ必要はなさそうです。なにか心配があれば早々に点検を受ければいいですし、普通に使っていて不具合が出てきて点検を受けてもいい。各自のサイクルスタイルに合わせましょう。

基本的にはシマノからの案内を待つ

©shimano

2019年6月30日以前に製造されたロードバイク用リア11段変速対応ホローテックII(中空)クランクにつきまして、対象製品の一部において接着された箇所が剥がれ、隙間や段差が発生する可能性がございます。

つきましては、お客様がご使用されている対象製品を無償にて点検させていただき、点検の結果、交換が必要と判断された場合は、無償交換をさせていただきます。交換の必要性が確認されなければ、そのままご使用いただけます。

お客様への無償点検プログラムに関する重要なお知らせ

今回の日本での発表は、「北米の状況を受け、リコールの発表をした」という感じですね。

店舗での点検・交換の具体的な発表はこれからなので、続報を待ちましょう。

基本的にはショップに持ち込み、無料でチェックしてもらって問題があるなら、同等品に交換。開始時期、交換に必要となる期間、工賃に関しては未定。

これから販売店と話を詰めるのだと思われます。日本でも対象となる人は多そうですから、点検となると結構な順番待ちになりそう・・・。

R9100シリーズやR8000シリーズのクランクは発売時期が比較的新しく、交換用の在庫は問題はなさそう。無償点検プラグラムが店舗で開始されれば、安心安全のために確認してもらいましょう。

しかし、9000シリーズと6800シリーズとなるとねぇ・・・。古いモデルなので全く同じモデルが入手できるかはわかりません。同等品との事で、おそらく後期モデルに交換されてしまうと推測できます。デザインが気に入って使っている人にとっては、不運な知らせ。

私も点検はしてもらいますが、もし「問題あり」となった場合に交換をしてもらうかはわかりません。悩ましいなぁ~。修理してくれたらいいのに。

シマノのクランクが「折れる、剥離、分離、破断」する確率は0.5%と非常に低いですが、北米では6人の方が事故に繋がっています。点検を受けるまでは、クランクにあまり負荷をかける走行は避けたほうが安全だと思います。

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