数ある自転車トラブルの中で、絶望感を持ってしまう状況があります。
それは「スポークが折れて」しまうこと。
転倒、落車、金属疲労と理由は様々ですが、なかなか経験するトラブルではないためちょっと焦ってしまいますよね~。
でも、大丈夫!
対処方法さえ知っていれば、焦る必要はありません。
ロードバイクだろうがクロスバイクだろうがママチャリだろうが、やることは同じです。
自転車のスポーク破損を認識した時点でやること
応急処置:折れたスポークはそのままにしない
「スポークが折れてる」と認識した時点で、最優先に行うことがあります。
「破損した」スポークを、左右に位置する『折れていない』スポークに巻き付ける
応急処置の目的は、折れたスポークがプラプラと遊ばないようにすること。
スポークが鉄製でグニャリと曲がるならば、折れてないスポークに直接巻き付けてもOKです。(折れたスポークはどうせ破棄するため)
それが出来そうにない場合は、コンビニ・ホームセンター・ダイソーどこでもいいので駆け込みましょう。一番入手性が高いのはテープ類。簡単に固定できます。
スポーク破損の放置は危険
なぜ、すぐに応急処置をしなければならないのか。
折れたスポークを固定していないと、色んな意味で危険なんです。
写真の状況だと、折れたスポークがフォークに引っかかり、他のスポークをテコの原理で曲げてしまう可能性があります。
折れたスポークのまま自転車に乗っても大丈夫なのか?
近くに自転車屋がある場合は手押しで移動する
スポークの固定が終えたら、近くにある自転車屋を目指すことになります。
市街地でのトラブルだと、すぐに解決するパターンですね。
持ち込み修理はサイクルベースあさひのようなチェーン店でもいいですし、プロショップでも構いません。
歩くのは面倒臭く感じるかもしれませんが、30分や1時間以内にショップへ行けるのならば「自転車に乗って荷重をかける」のは、避けた方がいいと思います。
時間はかかりますが、そのほうが結果的に金銭的ダメージが少なく、転倒のリスクもありません。
大人の徒歩の時速は約4km/hと言われています。4km歩くのに1時間、2km歩くのに30分かかる計算。
時間に余裕があるのならば、「自転車に乗らない」ことを優先しましょう。
※通常の使用でも、ホイールのバランスは崩れてしまうので、定期的に「振れ取り」というメンテナンスが必要になってきます。詳細はコチラをご覧ください。
自転車に乗らざるをえない状況の場合
とはいえ、「押して歩く」わけにはいかない状況もあるでしょう。
- 自転車屋(または自宅)までの距離が遠い。
- 時間を厳守しなければならない用事がある。(学校、会社など)
現代人って本当に大変💦トラブルにあっても時間は待ってくれないんですもん。
ロングライドで遠出している人だと、郊外で自転車屋が無いパターンも・・・
状況と修理費を天秤にかけて判断してみてください。
その手助けとなる応急処置(裏技)をご紹介します。
必要な物はテープと添え木
必要な物は2つ。①添え木、②固定に使うテープです。
添え木はその辺の枝でもいいですが、理想は割り箸。
テープは、布テープ、ビニールテープ、セロハンテープ、など重ねられるものにしてください。どちらもコンビニで入手できますね。
ちなみに、重ねて巻くことにより強度の確保を行うので、ガムテープは不可です。
添え木をしてスポークをグルグル巻きにする
スポークが折れた状態から、
割り箸を当てて、テープで固定します。
写真は分かりやすくするためにここで終わっていますが、あとはテープを引っ張りながらグルグルに巻き付けてください。折れたスポークはどうせ捨てるので剥がすことは考えなくて大丈夫。
割り箸が隠れるぐらいの量を使わないと意味がありませんからね~。
セロハンテープであっても、強度はしっかりでます。
こちらで紹介した方法も、あくまで自転車屋までの応急処置です。安全運転で目的地を目指し、できるだけすぐに修理をしてください。
自転車に乗った場合と乗らない場合の金銭的負担は?
歪みや曲がりが酷くなると、「スポーク1本の交換」だけでは済まなくなり、『ホイール全体の交換』が必要になってくるでしょう。
後述しますが、スポーク交換ならば5,000円以内に収まることがほとんど。ホイール交換となると8,000円以上のパーツ代に工賃がプラスされます。
ホイールは均等のとれた張力で円を保っている
ホイールという物は、スポークの張力を利用して、リムとハブを引っ張りながら固定しています。
ママチャリ用のスポークだと34本、ロードバイク用のスポークだと20本以下の物も珍しくありません。たったそれだけの本数で体重を支えてくれているわけです。
どんな種類の自転車にしろ、リムとハブが中心から均一に引っ張られることで、ホイールが『円』を保つよう設計されています。
トラブル発生時には均衡を保っていた1本のスポークが折れてしまっているわけですから、その部分の張力が無くなってしまいます。
本来、折れたスポークが吸収するはずだった衝撃を、周りのスポークが受けることになってしまうので、自転車に乗るか乗らなかは状況に応じて判断してください。
スポーク交換の費用と修理時間
やっとのことで自転車屋に到着!
これで一安心なのですが、次に気になるのが修理費。
実はママチャリとスポーツバイクで工賃が違っています。
それは「ホイールを簡単に外せるかどうか?」という点です。
スポーツバイクはホイールの脱着が簡単にでき、ママチャリはボルトでしっかり固定。手間がかかるママチャリのほうが料金が高く、所要時間もかかるでしょう。
スポーツバイクのスポーク交換
ロードバイク、クロスバイク、マウンテンバイクの場合は、修理時間も短く、料金も安く済む場合が多いかと思います。
大阪在住時に、有名なプロショップに持ち込み修理を依頼したことがありました。
使っていたのは、シマノのWH-R501。完成車に付属していたり、トレーニング用に選ばれたり、用途の多い名品だと思います。
自転車はお店の駐輪所に置き、フロントホイールだけを店内に持ち込みます。
お店の人:「純正のスポ―クじゃなくてよければ、すぐに修理できるよ」
特にこだわりはなかったので、修理を依頼。ものの10分程度で済み、料金も1,000円ぐらいでした。
サラピエ:「えっ!?そんなに安いんですか?」と聞き返したぐらい。
それもそのはず。スポーク自体は100円と非常に安く。修理料金のほとんどは工賃。
「振れ」は出ていなかったので、1本分のスポーク交換と調整だけの料金で済みました。
ママチャリのスポーク交換
ちょっと厄介なのがママチャリのほう。
スポーク自体の値段は非常に安いのですが、ママチャリだと工賃が高くなる傾向にあります。
修理内容 | 工賃 |
---|---|
スポーク交換・車輪脱着不要 | 2,640円(税込) |
スポーク交換・車輪脱着(前輪) | 4,620円(税込) |
スポーク交換・車輪脱着(後輪) | 7,040円(税込) |
スポーク交換・車輪脱着(内装ギア脱着含む) | 7,370円(税込) |
スポーク交換・車輪脱着(外装ボスフリー脱着含む) | 8,360円(税込) |
ニップル交換 | 1,980円(税込) |
あさひの工賃を見てみると、車輪を外さないスポーク交換で2,640円。これを基準に「破損状況と破損箇所」で値段が変わってきます。
- 車輪の脱着が必要なのか?そうでないのか?
- 前輪なのか?後輪なのか?
- 変速が内装なのか?外装なのか?
いずれにせよ、さきほでのスポーツタイプに比べ割高に感じますよね。
それは、ママチャリの車輪脱着に手間がかかることが関係しています。ママチャリは「ホイールを簡単に取り外すこと」が想定されておらず、しっかりとボルトで固定されています。
高額な修理費を請求されると納得いかないかもしれませんが、決してボッタクリではないことは覚えておいてください。
一口に「ママチャリ」といっても、1万円を切る激安の物から、10万近い高級モデルまでピンキリ。状況に応じて「買い替えか?修理か?」を総合的に判断する必要があるかもしれませんね。
スポークが折れる原因は経年劣化
スポーク折れの原因には様々な物がありますが、多くの場合は「金属疲労」が原因と考えられます。
なので新車や年数が浅い状態のときにはあまりないトラブルです。
などの場合は、金属が経年により劣化しているので、転倒や落車のときにポッキリ!
または乗っているときにポッキリという事もあります。
転倒でスポークが折れただけですと交換で済みますが、リムが破断する可能性もあります。
写真のようになってしまっては、手の施しようがありません。ホイールの寿命と割り切り新しいものを購入しましょう。
ホイールは前後セットのイメージが強いですが、「リアのみ」「フロントのみ」も販売しています。
必要なほうだけを購入すれば出費も少なく助かります。
まとめ:スポーク折れは固定して、交換・修理は早めに。
本記事の要点をまとめます。
日頃の点検では、避けようのないスポークの折れ。
ある日突然降りかかるトラブルではありますが、どうかパニックにならずに冷静に対処してください。一番の悪手は、「そのまま乗る」こと。
記事では「自転車屋まで行く」前提で話を進めていますが、電車での輪行や車での回収という選択肢も考えておきましょう。
あまりにも目的地まで距離が離れていると、「自走」が無謀な場合もあります。
無理をして事故をするより、怪我をしないことがやっぱり大事です。
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