入門用ホイールからのステップアップに人気のミドルグレードモデル。
カンパのゾンダとフルクラムのレーシング3、多くの方が悩むところだと思います。
フルクラムのレーシング3は、サイクリストの間で高い評価を受けているホイールの1つです。その優れた性能と快適性は、どんなライドにも対応し、長距離走行から競技用途まで幅広く対応します。
この記事では、レーシング3の魅力的な特徴、ゾンダや他のモデルとの比較、実際に長期使用したユーザーレビュー、そして中古市場での購入時に注意すべきポイントまで、徹底的に掘り下げていきます。
ミドルグレードの自転車ホイール:パフォーマンスと快適性の向上
シャア大佐は「性能の違いが、戦力の決定的差でないことを・・・教えてやる!」と仰ってますが、ロードバイクは機材スポーツとも言われ、ロードバイクの性能は速さに直結しています。
パーツのアップグレードで一番効果があるのは、絶対的にホイールです。
特にミドルグレードのホイールは「値段の割に効果を体感しやすく」初心者や中級車向けとも言えます。標準で付属する入門用ホイールと比較して下記のような特徴があります。
- 軽量性とパフォーマンス向上:
ミドルグレードのホイールは一般的に軽量であり、軽量のホイールは加速や登り坂でのパフォーマンスを向上させます。重量が軽いほど、エネルギーを効率的に転送でき、速く走ることが可能。 - 剛性と安定性の向上:
入門用ホイールより剛性が高く、これによりハンドリングが安定し、曲がりやすさが向上します。特に高速で走行する際に、ホイールの剛性は非常に重要。 - 耐久性の向上:
一般的に耐久性が高くい素材が使われており、長期間にわたって頻繁な使用に耐えることができます。低品質のホイールよりも、耐久性が高いので、長い間安心して利用できます。 - 滑らかな走行感:
スポークの張り方や素材を工夫しているため、路面の振動や衝撃を吸収する能力が高く、これにより滑らかな走行感を提供します。舗装路やレースでの走行時に、より快適な乗り心地を実感できます。 - アップグレードの柔軟性
「自転車の性能=ホイールの性能」と言っても過言ではなく、将来的に自転車をアップグレードしても引き続き使用できる汎用性があります。ミドルグレードのホイールを購入したとしても腐ることはないので、今後の選択肢が広がります。
フルクラム社の「レーシング3」はどんなホイールか?
イタリアのホイールメーカーで、カンパと姉妹ブランド
まだホイールに興味ないという方のために、説明しておきますね。
フルクラムは、イタリアの老舗自転車部品メーカーであるカンパニョーロの姉妹ブランドとして2004年に設立された自転車ホイールメーカー。
「レーシング」「スピード」「ウィンド」など走行目的によってカテゴリー分けされており、レーシング3はその中のレーシングシリーズに属し、フルクラム社を代表するホイールのひとつ。
グレードアップするときに良く候補にあがるのが、これとカンパニョーロのゾンダ。どっちかを購入しておけば間違いなし。
ミドルグレードの二大巨頭ですので、使用されている方も多いと思います。
個人的にはシマノのアルテグラホイールも仲間に入れてやって欲しい・・・。
フルクラムのホイールラインナップ一覧(リムブレーキ&DB)
モデル名 | 国内価格(税込) | 重量 |
---|---|---|
レーシング ゼロ カーボン | 354,200円 | 1,340g |
レーシング ゼロ アルミ | 168,300円 | 1,490g |
レーシング 3 リムブレーキ | 93,500円 | 1,560g |
レーシング3 ディスクブレーキ | 116,600円 | 1,660g |
レーシング 4 | 71,500円 | 1,725g |
レーシング 5 | 56,100円 | 1,650g |
レーシング 6 | 44,000円 | 1,760g |
フルクラム社のホイールラインナップから一部を抜粋してみました。※表記は国内価格ですが、海外通販だとタイミングによっては安く買える場合もあります。
現在の仕様は、リムサイズは17C、リムハイトは30mm前後が主流となっています。WINDというリムハイトの高いディープホイールもありますが、ミドルグレードという範疇を超えてしまうので、ここでは割愛。
レーシングシリーズでは0・3・4・5・6があり、数字が小さいほどハイグレードという製品設定。
高剛性、加速性能、推進力の高さが特徴でレース向けになっています。
えっ?1と2が無いって?そんなのは私も知りたい。つまり、レーシング3は上から2番目、「ミドルグレード」のモデルに位置付けされているのです。リムとDBの2種類が用意されています。
ちなみに、レーシングゼロはアルミホイールの最高峰の1つで、対抗馬にあがるのがカンパのシャマルウルトラ。ともに高い人気を誇っています。
個人的な意見ですが、アルミホイールを購入する場合はリムブレーキ版で十分かと思います。軽くて安くて剛性が高くて文句がなく良コスパです。カーボンホイールの場合は現在主流のDB(ディスクブレーキ)にしたほうが後悔が少ないかなぁ・・・と。それまでのデメリットを解消するような造りになっているので、中途半端にアップグレードするなら一気に上も目指すのも1つですね。
レーシング3はプロライダーにも選ばれる人気のミドルグレード
「フルクラムは硬い」「レーシングは硬い」「フルクラムだと膝が痛くなった」「フルクラムを購入して後悔した」なんて良く言われますが、フルクラム社で一番購入されるのが、やはりレーシング3なんです。昔からカンパのゾンダと人気を二分しています。
ちなみに、プロやセミプロの練習用ホイールとして、レーシング3が使われることもあり性能は折り紙つき。
ただ、私個人、ホイールインプレのダイレクト感とか直進性とかシャキ感とか、よく分かっていません(^_^;)
硬いと感じたことはないし、このホイールで膝が痛くなったことはありません。そもそも空気圧で乗り心地は変わりますし、ポジションが合っていれば体が傷むことはありません。
「90%の部分で違いはないけど、10%の違いを無理やり表現したらこうなった」というライターの苦労だと勝手に解釈しております。
昔のデュラなんかは剛性が足りなくてフニャフニャした物はありましたが、今のちゃんとした有名メーカーのホイールならば、縦剛性も横剛性も不足している物って無いと思うんで。
フルクラム レーシング3 :価格と性能を両立した万能ホイール
ホイール前後の重量を計測
ホイールのみの公式重量は前輪670g、後輪885g、合計1,555g。
1つ上の上位モデルであるレーシングゼロ(アルミ)と比較すると、価格差75,000円で重量差はたったの70g。10gを軽量していくのに1万が必要となってきます。
ミドルグレードがオススメされるのには理由があり、価格と性能のバランスが釣り合っており、初心者やビギナーが後悔しずらい点が挙げられます。上位モデルからは急にコスパが悪くなるので、明確な意図がないと購入は控えておきましょう。
前輪にタイヤとチューブを装着した重量は920g。
耐久性重視で厚いチューブを使用しているので、人によっては、数十グラムは軽量化可能。
後輪は、タイヤ、チューブ、スプロケ(10速アルテグラ)で、1460g。
鉄ゲタ(2kg)と呼ばれるホイールと比較して約500gの軽量化になっているため、この状態でも軽く感じます。
やはり、軽さが正義。
乗り始めの頃より「軽いホイールに慣れた⇒鉄ゲタに戻す」ほうが違いがよく分かります。漕ぐのが重たかったり、同じ距離走っても疲労度が高かったり。ほんとよ?
ちなみ自転車の軽量化を行う際にあったほうが便利なのがフック式のスケール(はかり)。
コンパクトで正確性もあり安価なので、この機会にいかがです?
きっと軽量化沼にハマれますよ( ̄∇ ̄)
フルクラム レーシング3 の軽量設計と耐久性の技術
私のモデルは、現行から一世代前の物。リム幅はC15、ハブはホワイト。
ゾンダと最後まで悩みましたが、この色が購入の決め手に。完全に見た目重視。
C15ホイールやリムホイールが姿を消していく中で、700×23cタイヤを愛用する人々からしたら、涎が出るほどの一品になっちまいました。
ぱっと見では良く分かりませんが、2023年時点での現行モデルだと下記がアップグレードされ、全体構造がより耐久性と剛性に優れた形状になりました。
フルクラムホイール最大の特徴がこちら。
フリー側と反対側のスポークテンションを均一にする為、フリー側2本のスポークをクロスさせて1本分のスポークのように配した「2:1」(ツートゥーワン)スポークレシオ。
これによりスポークの湾曲とねじれを最小限に抑えてるんですって。
リムの肉抜きもされており、軽量化に貢献。
現行モデルのほうが、より複雑に肉抜きされているため、リム幅がC15⇒C17に変更されても重量はほぼ変わりません。
スポークが平たい形状になっていますが、風切り音が丸型スポークよりウルサイのは減点ポイント。
見た目はカッコいいんですけどね。
付属品も高級感あり:クイックレリーズの形状
クイックレリーズも専用の形をしていて高級感があります。
しかし、これが曲者で・・・。形状が大きいため、バイクスタンドにハマらない可能性があります。
私の所有しているスタンドは受け口を削って拡げました(´;ω;`)
ゾンダとレーシング3の比較:どちらが最適な選択肢かを検討
知っておきたい情報と選ぶ際のポイント
似たような性能と価格帯で、必ず比較されるのが、カンパニョーロのゾンダ。どちらを選ぶかはサイクリストにとって重要な選択です。
かくいう私も、ご多分に漏れず悩みに悩みまくりました~(^_^;)
試乗できる環境でもなかったので、とにかくネットのレビューやインプレを読み漁る毎日。
一般的に言われているのが
- フルクラム レーシング3:硬く高剛性。レース向きだが、疲れやすい。
- カンパ ゾンダ:マイルドな乗り心地。ロングライド向けだが、剛性が足りない場面も。
レーシング3は優れた軽さと耐久性を持ち、速さにこだわるライダーに最適。ヒルクライムでその軽さを発揮し、スプリントでも力強い加速を実現。1分1秒を競うサイクリスト向けだとも言えます。
対して、ゾンダは快適性と安定感に焦点を当てており、長時間のライドに向いています。ホイール全体が柔らかく振動を吸収してくれるので、長距離走行やロングライドでの疲労を軽減してくれます。
どちらも性能と価格のバランスが良いため後悔はしない
当時の私は、タイヤの空気圧で乗り心地は調整できると考え、「高剛性」をチョイスしました。結果としては大満足でした。
これには後日談があり、友人がゾンダを購入した際に、交換して乗り比べしたことがあったのですが、2人の意見が「どっちもそんなに変わらないね」でした・・・。
こういう経験を繰り返した結果、「好きな物を買えばいいんだ」と思うようになりました~。
雑誌やネットのレビューの性能差なんて微々たるもんよ。
速さとパフォーマンス、快適性と安定感。ホイール購入に何を求めるかは人それぞれ。
自身のニーズに最適なホイールを選んでみてください。正直、ゾンダとレーシング3だと、どっちを買っても後悔はしないと思います。
フルクラム レーシング3の疲労度は?実際のロングライドでの体感レビュー
ホイール購入直後の初期インプレ
ホイールを装着したイメージ。シンプルであまり主張しないため、どんなフレームにも合います。
悪くいえば、ちょっと地味。でも分かる人が見れば、ちゃんと理解してもらえるホイール。
そんなホイールですが、乗り始めた瞬間は「あれ?こんなものかなぁ?ギア1枚分軽くなったってレビューが多かったのに……」という微妙な印象でした。
その時は、シマノの入門用ホイール(定価約2万円)を使用していて「高いホイール買って失敗した~(>_<)」という気持ちが強かったです。
ホイールの長期期間乗り込んでみての使用インプレ
レーシング3は癖のないホイール。購入直後は感じなかった走行性能ですが、今ではハッキリと恩恵を子受けております。
剛性が高いことにより「漕ぎ出しの軽さ、加速、巡航時のスピード維持、登坂性能、下り坂の安定性」多くの場面で楽なんですよね~。
乗鞍にはこのホイールで2回ヒルクライムしましたし、富士スバルライン、四国カルストも登りました。
その他にも、しまなみ海道、ビアイチ、アワイチも走りましたね~。
ディープリムが欲しくてカンパのBORA50も購入しました。そんな状況の中で、レーシング3の売却も考えシマノの入門ホイールに履き替えた時に、衝撃が走ったんですよ。
「おっ、重い・・・・。」ロングライドがいつもより疲れる感じがしたのです。
フルクラム レーシング3の中古市場:お得な中古品の見つけ方と注意点
リムブレーキ用のホイールは入手が限られてきている
フルクラム公式HPはこちらから
今や、ロードバイク市場はディスクブレーキが主流。各社のハイエンドモデルはディスクブレーキ、クロスバイクもディスクブレーキ、猫も杓子もディスクブレーキといった状態になっています。
リムブレーキの需要は確実にあるし「これからも使っていく」という声も確実にある!
・・・のですが、企業が既にDBへの移行を決定しており、もう風前の灯。年々、併売してくれるメーカーが少なくなっている印象を受けます。
2021年6月、ハイエンドアルミホイールの一角、レーシングゼロのニューリリースがあった時は嬉しく思ったのですが、こういう事も今後は少なくなるかと思うと諸行無常よね~。
ヤフオクやメルカリで見つけるホイールの状態と落札のコツ
新品での入手が限られてくると活発になってくるのが中古市場。日々、ロードバイクのパーツが取引さされており、ホイールも例外ではありません。
中古品は、予算を抑えつつ高品質のホイールを手に入れる絶好の機会です。しかし、安心して購入するためにはいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
信頼性のある中古品販売プラットフォームを利用
まず、信頼性のあるショップを利用しましょう。
ロードバイクの中古販売で有名なバイチャリやサイクリーならば信頼性も高く、初めての購入でも安心できます。
商品の販売ページでは、写真や詳細が載っているので、入念にチェックし、劣化や傷みがないか確認しましょう。仕様で分からない部分があれがば、問い合わせから返事も頂けます。
ヤフオクやメルカリなどを利用する場合
こちらはショップで購入するより、かなり気を使います。
使用歴やメンテナンス履歴、落車の有無や事故歴など、質問してできるだけ詳細な情報を入手しましょう。そして、価格の相場を調査し、あまりに安すぎる場合は詐欺に注意する必要があります。
取引時の安全性を確保するために、信頼性のある支払い方法や追跡可能な配送サービスを利用することも重要です。
これらの注意点を守れば、お得なフルクラム レーシング3の中古品を安心して手に入れることができます。
まとめ:入門用ホイールからのステップアップに最適
軽量なホイールは加速がスムーズで、長距離走行でも疲労を軽減。路面の段差や衝撃もしっかり吸収してくれ、快適な乗り心地を提供してくれます。
ホイールの軽さが登坂時に大きなアドバンテージを提供し、高速コーナリングでも安心感を与えてくれます。更に、耐久性に優れているので、長期間にわたって安定したパフォーマンスを発揮し続けてくれるので、決して高い買い物ではありません。
ロードバイクの中で、一番効果のあるパーツ交換は、ホイールと言われています。
自転車の一番の敵は風。チャリダーか自転車雑誌で見たと思うんですが、空気抵抗で見た場合、抵抗の割合は「85%が人間、10%がホール、残り5%が他のパーツ」らしいです。
また、遠心力の関係から、「ホイールの軽量化100gは、他のパーツの1000gに相当する」なんて言葉もあったような気がします。
いずれにしても、自身のパワーを推進力に変換する大事なパーツというのは伝わってきますよね?
ですから、ロングライドやヒルクライムを楽に走りたいって方には、コンポのアップグレードよりホイール交換のほうが費用対効果は高いです。
フルクラムのレーシング3を購入すれば、軽量と高剛性と耐久性をバランス良く両立させた優れたホイールなので、あなたのサイクリングを飛躍的に向上させることは間違いありません。
ただ、最後にもう一言。
「予算の中で、限りなく軽く、自分がカッコ良いと思えるホイール」を買うのが1番ということを理解しておいてください。
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