こんにちは、サラピエです。
前回の記事では、シマノのサイクルグローブを紹介しました。
高い防寒性能を実現しており、商品に不満はないのですが、高性能がゆえに日中は汗ばむこともしばしば。グローブを付けたり外したりして、手の温度調整をしないといけないんですよねぇ。
0℃対応のアイテムを、「朝・昼・晩、1日を通して快適に使用する」には無理があるように感じます。
というわけで、今回は、日中の5℃~10℃を目安に使えるモンベルのグローブをレビューしていきたいと思います。
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モンベル ウインドストッパー サイクルグローブ ¥5,390(税込)
国内のサイクルウェアだとパールイズミやシマノ、ちょっとお洒落なカペルミュールが候補にあがることが多いですが、モンベルも忘れてはいけません。
最近はサイクル用品にも力を入れており、本家メーカーにも負けず劣らずの品質。
ウインドストッパー サイクルグローブは、防風性と優れた操作感を両立し、肌寒い時期のサイクリングに最適なグローブです。
高いグリップ力とクッション性を両立
手のひらと指先には滑りにくく、耐久性のある合成皮革を使用。
今までモンベルのサイクルグローブをいくつか使用してきましたが、これが本当に秀逸で、ハンドルが握りやすいんです。登山メーカーらしく安全に配慮した設計だと思います。
親指と手のひらの荷重のかかるポイントには、それぞれ最適なクッション性を持たせた緩衝フォームが配置されています。ジェルのようなグニグニ系ではなく、ウレタンのようにシットリとした感触。
また、タッチパネル対応の指先なので、スマホ操作も容易に行えます。
防風性と透湿性のあるウィンドストッパー
シマノのグローブの時に「覚えて欲しい」と紹介したゴア社のウィンドストッパー。
ねっ?ここでも登場。
スポーツメーカーやアウトドアメーカーが、防風素材に採用する優秀な生地なんですよ~。
寒風や寒気をシャットアウトする万全の防風性と、衣服内にこもった汗の水蒸気をすばやく放出する優れた透湿性を併せ持つ素材。
衣服内の暖かな空気を逃さず、内側をドライに保つことができるため、高い保温効果をもたらします。
本来防水性能はありませんが、モンベルが生地表面には耐久はっ水加工を施していますので、小雨程度ならば弾いてくれます。
グローブ内部はフリース裏起毛
グローブに中綿はなく、手の甲の裏側はフリース裏起毛です。
何度も言いますが、ウインドストッパーには体の水蒸気を排出できる孔が無数に開いており、激しい運動時にも、衣服内環境のバランスを保ってくれます。
風をしっかりとブロックしながら水蒸気をすぐに排出する機能があるので、寒風や寒気を遮断して体感温度の低下から身体を守り、汗による体温低下や汗冷え、さらには活動時のオーバーヒートのリスクも軽減してくれるというわけです。
長期使用のインプレ
さて、ここからは、実際に私が4年ほど使用したインプレを書いていきます。
まず、前提として理解して欲しいのが、下記の2点。
① 中綿がない薄手のグローブである
このグローブは、中綿がないため冬用としては薄手のグローブになるかと思います。
例えるならば、「モンベルはウィンドブレーカー、前回紹介したシマノはダウンジャケット」。冬用グローブでも両者には、大きな違いがあります。
重量を比較すると一目瞭然。「モンベル53g、シマノ135g」と倍以上の差。
逆に言えば0℃対応の冬用グローブは、ミドルレイヤーとしての中綿に、本体重量の倍以上の素材を使用しているということなんですね~。
なので、モンベルのグローブを0℃などで使用した場合、めちゃくちゃ寒いです。ちっとも温まりません。風自体は防いでくれますが、素材自体が冷風で冷やされて、手全体が冷え冷え。
あと、指先の縫い目から微妙に冷気が入ってくる気がします。
②ウィンドストッパーを過信しては駄目
そして、次にウィンドストッパー(ゴアテックス)は万能ではないという点。
ゴアテックスが高価なアイテムであり、プロユースにも使用されるため、高性能なイメージを持っている方が多いと思います。「蒸気を外に排出する」「蒸れない」という文言も良く目にしますし・・・。
けど、過度な期待は禁物。ウェア・小物・シューズなどでゴアテックスのアイテムを使用していますが、激しい運動や強度の高い運動をすれば、内部は汗で蒸れます。
あくまで体から出る「蒸気」を外に排出するのであって「汗」を排出する機能ではありません。
体を動かしてない状態での「蒸れにくさ」は高いのですが、「汗」をかいた時点で、もう効果は発揮されないことを理解しましょう。
※正確に言うならば、汗の蒸気を外に出してはいますが、微々たるもの。透湿性の素材は、自転車用途には効果が薄いと考えています。
結論:使いどころが限定されるグローブ
以上の点から、「高いお金を出した割に失敗したかなぁ」というのが正直な感想。
造りも良く、見た目も格好いい、モンベルの店員も通勤で使っている。
でもでも!!
気温の高い日中や5~10℃のときには、ウィンドストッパーのせいで汗ばむ。気温が下がる朝晩や0℃のときには、薄手の生地のせいで指先が冷える。
グローブ単体ではちょっと使いどころに困るグローブなんです、単体ではね~(^_^;)
モンベル ジオライン L.W.グローブ ¥1,760(税込)
そこで登場するのがモンベルのジオライン。
このブログで何度も登場している化学繊維。汗を素早く吸い取り、肌をドライを保つ。また、空気層の保温効果も期待できるので、冬には定番のアイテムです。
毛利の有名な三矢の訓。「一本なら簡単に折れてしまうが、三本束ねれば簡単には折ることはできない。」っているアレ。
ワタクシは!
モンベルも「1枚では寒いが、2枚重ねると温かいのだ!」という2着の訓を提唱します!
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解決策:インナーグローブという選択
単体では辛口評価をするしかないウインドストッパーサイクルグローブですが、ジオラインのインナーグローブと合わせて使うと評価は逆転します。
決して素材が悪いわけでもなく、風がスースー通るわけでもないのに、なぜ寒いのか?
それは空気の保温層がないから。
だったら!自分でミドルレイヤーをとなる生地をプラスしようではりませんか!
ジオラインならば、インナーとして汗を肌から吸い上げてくれるので、一石二鳥。
効果は抜群で、この組み合わせならば、5~10℃の気温帯で対応できます。
ジオラインは薄手なのでかさばらない
そしてなにより嬉しいのがコンパクトにまとまる事。
必要な時には、バッグやポケットにしまっておけますので、ライドの邪魔にはなりません。
その時の状況に合わせて、手が冷える過ぎることも、暑くなり過ぎることも防げます。
0℃での使用はちょっと厳しいですが、我慢できる冷たさをキープ。
まとめ
- 手の甲には、防風性と透湿性を兼ね備えたウィンドストッパーを使用
- 手のひらは高いグリップ力があり、パッドもあるため自転車用として最適
- 指先はタッチパネルに対応
- 軽量かつ薄手なので荷物が嵩張らない
- 薄手なので0℃など寒冷期に使用すると寒い
⇒ジオラインとの組み合わせである程度改善
「インナーグローブと併用すること」をどう考えるかで評価の変わるグローブかと思います。
グローブをレイヤリングするという発想自体が、世間一般になかなか浸透しておらす、単体の性能で考えてしまいますよね~。そういう観点だと、快適に使用できる温度域が狭いグローブになってしまいます。
しかし、着脱の手間は増えますが、インナーグローブ1枚を追加することにより、幅広い時期に使用できるアイテムに生まれ変わるんです!
グローブ内部をドライに保ってくれますし、温かくもなります。私自身、最初の印象はかなり悪かったのですが、この使い方を始めてから、使用機会は増えました。
例えにも出しましたが、これはウィンドブレーカーと同じ。あの薄手のジャケットを素肌に着る人っていませんよね?インナーやミドルレイヤーと組み合わせて使いますよね?
この系統のグローブは、それと同じなんです。防風性は高いが保温性が低いので、重ね着必須。
もし、他メーカーで同じような思いをしている方がいらっしゃったら、インナーグローブという選択肢を検討してみてください。
それ、活用できるかもしれませんよ~。
それでは、今回はここまで。
最後までブログを読んでくださり、ありがとうございました。
コメント
こんにちは。いつも読ませていただいております。
毎朝、自転車に乗っていますが、今朝の冷え込みはこの冬一番でした。岡山も氷点下1~2度だったようです。
グローブの記事、参考になります。今朝はワークマンとかの手袋の2枚重ねでしたが、結構指先は冷たくなりました。少し大きいサイズのシマノを買ってその中にインナーをつけるとどうでしょうか。
それから、バッテリー付きのヒーター手袋はどうでしょうかね。
指先の冷たいのは、楽しくないですね。
ゆいっちょん夫さん、こんにちは。
冬ライドで体の末端が冷えるのは本当に辛いですよねぇ。
厳冬期はインナーと厚手グローブを併用するのが理想的だと思います。
温かいし、汗をかいてもインナーだけの洗濯で済みますし。
ヒーター付きは個人的には好きではありません。
自転車の場合、余計な汗をかき温かいのに寒いという不思議な
感覚になったことがあるので(^_^;)