ロードバイクやクロスバイクのメンテナンスって、それほど難しいものではありません。
自転車用のチェーン交換もそう。
各工程でポイントさえ押さえておけば、お店に頼まなくてもご自身で作業できます。自転車用の工具に初期投資する必要がありますが、揃えてさえしまえば2回目以降はチェーン代金のみのとなります。
お店のチェーン交換:工賃のみで1,500~3,000円の料金体制。
自分でチェーン交換:無料(工具を揃えるのに1,000~3,000円必要。)
初めてのチェーン交換で、失敗しやすいポイントを抑えつつ、誰でも分かるよう詳しく解説していこうと思います。
初心者の方でも、不安なく作業に取り組んで頂けると幸いです。
スプロケットを28Tから30Tに変更してから、ず~と気になっていることがあったんです。それは走行時に後ろから聞こえてくるチリチリ音。
スプロケの外径が大きくなっているのに、チェーンの長さを28Tのまま使用したのが原因でしょう。チェーンの長さが足りないので、ピンを追加していきます。
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自転車のチェーンの種類と選び方
11速チェーン「CN-HG901-11」を使用

私のロードバイクは、11速のコンポーネントなので、「11速用のチェーン」を使用。
ご自身が普段乗られている自転車のリア変速段数(8~12速)に合わせて用意しましょう。
自転車チェーンのグレードの違い
同じ段数のチェーンでも、グレードが分かれております。
「錆びにくい」「ツルツル」など表面処理の違いによって値段も高くなりますが、造形的な構造は全く同じ。
「コンポは105までで十分、消耗品はDURA-ACEを使用」という風に言われることがありますが、ご自身の状況に合った物を選んでOK。
ただ、消耗品のチェーンやケーブルって乗車時のフィーリングに関わるパーツですから、予算が許すなら高価な物のほうが精神的な満足度は高め。要するに自己満足なんや!(^_^;)
シマノ チェーンピン(コネクトピン)
チェーンを繋ぎとめるためのピン。釘のような形をしており、真ん中にある線で折ります。
コネクトピンやアンプルピンと呼ばれることもありますが、同じ物を指します。
後述のミッシングリンクを使う場合は不要ですが、ワンセット持っていると便利です。
KMC ミッシングリング

チェーンのワンタッチ脱着が可能なKMCのミッシングリンク。(写真左)
シマノからも類似品が発売されており、クイックリンクと呼ばれています。(写真右)
KMCとシマノの物がありますが、元祖のKMCがオススメ。再利用が可能で、頻繁にメンテナンスをする場合、手間を省けます。
9速用、10速用、11速用があるので注意してください。
シマノのクイックリンクは、KMCが構造の特許を持っていて、そこを回避しながら製品化しているため性能があんまり良くないイメージ。
チェーン交換に使用する自転車の工具

ロードバイクのチェーン交換に必要な工具は、Amazonで購入すれば、だいたいどれも500~1,000円程度。
シマノ純正を使っていた時期もありましたが、安いもので十分の精度と性能でした。
チェーンカッター|切ってつなげる役割
チェーンを切るための工具です。チェーン交換するなら必須の道具!
初回にミッシングリンクを導入する場合にも必要になります。
昔は、シマノのチェーンカッターを使用していましたが、今はコチラを使ってます。特に不満なく活躍してくれています。
家族の自転車もメンテナンスする人は、シマノのチェーンカッターのほうがいいかも?
取っ手が大きので、手への負担が少ないです。
しかし、性能的な違いはないので、好みで選んでOKですよ~。
チェーンフッカー|作業のしやすさ向上

チェーンをつなげる時、保持しておくための工具です。コチラもほぼ必須アイテム。
無くても作業はできますが、あった方が確実に効率が上がります。
買うなら「フッカー付きチェーンカッター」のモノを選ぶとお得でしょう。PWTのにも付属していますした。
針金でも自作は可能です。
ちなみに私が今欲しい道具かこれ。フッカーの機能を持ちつつ、チェーンの伸びを計測できる道具。
ミッシングリンクプライヤー|ワンタッチ脱着
ミッシングリンクを使う方のみ、着脱に使う工具です。
9速~10速などは素手で着脱できますが、11~12速だと専用工具がないと取り外しがキツイです。
ピンで結合する方は、必要ありません。
バイクスタンド|メンテナンスに必須

様々なメンテナンスに活用できるバイクスタンド。
高価なスタンドでなくとも、安価なディスプレイスタンドで十分。
後輪を外して、作業をしたい方は、ミノウラのチェーンステー保持タイプがオススメ。(写真右)
【初心者でもできる】自転車チェーンの交換方法
【チェーンの取り外し】

まず、チェーンフッカーをチェーンの溝に取り付け。
こうすることによって、チェーンを取り外しても、テンションを保持できます。丁寧に作業すれば、無くても困りませんが、あれば作業効率が絶対に高まります。まさに縁の下の力持ち。
チェーンカッターに付属する物でも、物置にある固い針金でも、フック状の物なら何でも代用はできますからね~。
この時にチェーンの位置を「インナー×トップ」にしておくこと。
「前が軽い×後ろが重い」の組み合わせです。
テンションが1番抜ける状態なので、チェーンが暴れて、フレームを傷付ける事を防止してくれます。
選択1:チェーンピン(コネクトピン)の場合

チェーンカッターをセットし、ハンドルを回す。
チェーン同士を接合している中央のピンを押し抜きます。
万力の要領で、ピンを押し出していきましょう。グリグリグリグリ~。

負荷が無くなり、クルクル回れば、ピンは貫通しました。
選択2:ミッシンクリンクの場合

プライヤーをセットしてミッシングリンクの取り外し。
リンクの両端に差し込み、グリップをギュッと握るだけ。
カチッという音とともに固定が解除されますので、スライドして取り外しましょう。

ここがチェーンフッカーの最大の見せ場。
左右のフックにテンションがかかりチェーンの位置を保持してくれています。
これがないと勢いよくチェーンが外れて、カーボンホイールに当たってヒヤヒヤすることも(^_^;)
取り付ける時は、最初にこのような状態にしておきます。
【自転車チェーンを交換するための長さは?】

スプロケットの最大歯(A)と、チェーンリングの最大歯(C)に、チェーンを取り付けて、
最短で繋がる位置(B)から余剰分として画像の(z)。

「アウターローの長さ」「+2リンク」がこういう状態。
ギア周りを変更して、初めてチェーンの長さを決める方は画像を参考にしてください。
これが全てです。
※正確に言うとフロントトリプルやスプロケ32Tの場合は違いますが、これがスタンダードな決め方。
【チェーンを通す】
ポイント1:チェーンの裏表を確認

シマノのチェーンには、裏表があるモデルもあります。
チェーンプレートの両面を確認してみてください。

- 片面には文字あり、片面は何も書いていない→裏表あり
- 両面とも刻印、文字がある→裏表なし
裏表があるチェーンなら、文字の書いてある方を「表」にしてください。
裏表を間違えると、壊れることはありませんが、変速に悪影響がでます。
ポイント2:チェーンの向きを確認

シマノのチェーンには「向き(進行方向)」の指定もあります。
変速性能に悪影響がでないように、りっかりとチェックしましょう。

チェーンの回転方向に合わせて、下記になるようにしてください。
- 引っ張る側(前側)がインナープレート
- 引っ張られる側(後側)がアウタープレート
ギアにチェーンを取り付けて作業をした場合、チェーンラインの下段では、左側が進行方向。
矢印の方向に動くので「インナプレートでアウタープレートを引っ張る」と覚えましょう。
【リアディレイラーへチェーンが正しく通っているか】

脱落防止用の板(またはピン)の内側をチェーンが通るようにしてください。

これに気が付かず、外側にチェーンを通したら?
自転車を漕いだときにガリガリ~という異音が・・・。えぇ、もちろん私も経験しました(‘◇’)ゞ
【チェーンを結合する】

チェーンの長さも決め、取り付け注意を出来たら、いよいよ、チェーンをつなぎます。
外す時と同様にチェーンフッカーを使用。
チェーンピン(コネクトピン)、ミッシングリンク、それぞれ解説します。
選択1:(チェーンピン)コネクトピンの場合

チェーンピンをチェーンプレートの穴に差し込んでセットします。
このとき、向きに注意してください。尖ってるほうが、車体の内側。

チェーンカッターをセットし、ハンドルを回してピンを押し込みます。
取り外すときと同じ要領で、グリグリグリグリ~。
ピンが規定の位置まで押し込まれると手ごたえが軽くなります。それを感じたら押し込むのをやめましょう。

飛び出しているピンは、チェーンカッターの穴やペンチを利用して折ります。
「ピン」で結合した場合、チェーンの動きが渋いことがあります。
その場合は下記を試してみてください。
- ピンやチェーンを押したり、引っ張ったり、曲げたりする。
- ラスペネやチェーンルブなど、潤滑油を一吹きする。
- 反対からチェーンカッターで押し返す(非推奨)。
動きがスムーズかどうか確認してから、使い始めましょう。
選択2:ミッシングリンクの場合

KMCのミッシンクリンクをスライドして取り付け。
この状態では、またロックがかかっていません。指でスライドさせて終わりです。
ピンが固い場合、ミッシングリンクがチェーンラインの上段にセットし、足でクランクを踏み込むとカチッとハマります。

シマノの場合、矢印が進行方向になるように取り付けてください。
お疲れ様でした!
これで、チェーンの交換は終了。
後は、問題なく変速するか、ペダルをちゃんと漕げるか確認しましょう。
ロードバイクのチェーンを自分で交換してみて

ちょっと長い説明になってしまいましたが、いかがだったでしょうか?
本記事を見るまでは、チェーン交換を「難しそう」と感じていた人も、作業自体は簡単だったことをご理解していただけたかと思います。チェーンの長さを決める方法はプラス2コマと覚えてください。
購入する道具に関しても、高い物はないので、1度プロショップに依頼する工賃で元はとれますよ~。
また、工賃が浮くだけでなく、今回の方法を覚えれば、走行中のチェーントラブルにもご自身で対応することが出来るようになります。
仕組みが分かれば、自転車のメンテナンスは、意外と簡単なものばかり。触るのが怖いと思わずに、ぜひチャレンジしてみてください。
文章では分かり辛い部分もあったと思うので、興味が出た方は、動画を検索してみてください。
あさひやワイズロードの公式動画、youtubeに良い動画が沢山あります。
コメント
チェーン長さの決め方:その他方法を一つ。
フロントアウター/リア11段なら6段目に掛けた状態でガイド/テンション各プーリーが縦垂直に並べば適正コマ数となります。ご参考にどうぞ。
コメントありがとうございます。
そういう方法もあったんですね~。
始めて知りました。