自転車に乗る際、安全性を確保するためにはフロントライトの取り付けが不可欠です。特に夜間や早朝のライドでは視認性が重要です。
ガーミンのEdgeシリーズを購入して、ちょっと困るのが『ライトをどこにつけるか?』という問題。
「サイコンとライトを別々に取り付けるのは野暮ったい」「ハンドル周りはスタイリッシュにスッキリさせたい」という要望を満たすべく、サイクリストが行き着くのがライトの下部取り付け(吊り下げ)という方式。
この記事では、ガーミン純正のアウトフロントマウントを改造して、キャットアイのライトを取り付ける方法について詳しく解説します。
1枚めの画像でピンときたあなた。あなたもマウント難民ですよね?
だから今、この記事を読んでいるんですよね?その願い、今すぐ叶えましょう!
もうレックマントに頼る必要はない
ライトの下部取り付け(吊り下げ)を主流に押し上げたレックマント。
ハンドル周りをスッキリさせようと、サイクリストが購入するのが「type 19(キャットアイ用の下記アダプタ付き)というモデルです。
ユーザーの意見を反映した製品造りが魅力で、拡張性の高さとルックスの良さで市場を席捲していったイメージがあります。
事実、知るやいな、私も速攻で購入。1年ほど使用していました。
売却の一番の理由は見た目。無骨過ぎて私には合わなかったんです。
それと同時にず~っと「ガーミンの純正マウントにキャットアイのライトを取り付けられないか?」と思っていました。だってだって!ガーミンマウント、カッコいいんだもんっ!
次項からは、ライトのアダプタ部分をガーミン用からキャットアイ用へと変換させる手順を詳しく説明します。自作や改造してでもガーミン純正マウントの使いたい人は、ぜひご覧ください。
必要なアイテムを準備する
まずは、以下のアイテムを準備しましょう。これらは既に持っている物として話を進めていきます。
- ガーミンEdgeシリーズ (当記事では530を使用)
- ガーミンEdgeシリーズの純正マウント
- キャットアイのフロントライト(例:VOLT400&VOLT800など)
ガーミンのGPSサイコンEdgeシリーズ(540、840、1040)を購入したときに付属してくる純正のマウント。正式名称は『アウトフロントマウント』と言います。※530、830、1030でも同じ。
レックマウントなどを別途購入したら不要となりますが、今回はこのマウントを使って、キャットアイライトを取り付けるためのアダプタを自作します。
不要になるはずだったガーミンの純正マウントを活用できるし、なによりDIYが苦手な人でも簡単に加工できちゃいます。
新たに購入するアイテムは2つ
次に、以下のアイテム2つを新たに購入してください。
①キャットアイの「GPブラケット」300円
②中華製の「自転車カメラマウント」800~1000円
目的:ガーミンの純正マウントをキャットアイ対応に改造する
どちらもAmazonで購入可能です。
実は2021年4月にこの記事を公開して以降、かなり反響があり改造方法が一気に広がりました。
そこで気になったのが、部品の相場。キャットアイは純正パーツで、値段は約300円と変わっておりません。逆に中華製の「自転車カメラマウント」は人気に乗じて値上げが数回ありました。
昔は500~600円ぐらいだったと記憶していますが、大量の注文が入るもんだから、アイツら勝手に便乗値上げしたってわけ。今は相場も落ち着きましたが、酷い時は1,500円になることもあって、アコギな事して許せねぇ・・・。
キャットアイの純正ライトマウント「GPブラケット」300円
まず、揃えなきゃいけないパーツの1つめがこちら。
キャットアイの”GPブラケット”。これが何かというと”アウトフロントブラケット2”という製品の補修パーツになり、ライトを装着する台座部分です。もちろんのこと純正部品なので、ライトに関しての互換性は全く問題なし。
価格はAmazonで約350円。や、安い!
レックマウンの似たような製品は樹脂製で1,000円、アルミ製で2,000円もしてします・・・。
キャットアイは補修パーツも充実していて、かつ入手しやすいので、アフターケアの観点からみてもランニングコストは良いです。
キャットアイ製品ページより引用
ちなみにこれが、”アウトフロントブラケット2”ね。
「キャットアイの、キャットアイによる、キャットアイのためのマウント。」
画像を見てもらったらわかるように、自社製のライトとサイコンをダブルマウントできるとい代物。
ボルトが刺さっている部分が、ライトの位置を調整するヵ所。その上の部分がライト受けとなります。
内容物は、本体とボルトのみ。
中華製「 自転車用カメラマウント」850円
そして、次に必要なのがこの部品。サラピエのせいで相場が爆上がりした中華製のパーツ。
Amazonで『自転車用カメラマウント 』で検索すれば、850円ほどで入手できます。
Made in Chinaですが、品質や精度は十分で、2年と半年使っていても不具合は出てないので、敬遠しないでください(;^ω^)
「レビューには到着が遅かった」とあったので若干不安を覚えましたが、出荷元がAmazonでしたし、翌日にはちゃんと到着しました。
追記:私が紹介したことにより、売れに売れ、値上げしています。800円⇒1000円⇒1500円と元の倍近い値段に。この商魂の逞しさは、さすが中国企業。現在は850円に落ち着いています。
似たようなOEMは多数あり、下記の代替品でも問題はありませんので、リンクを張っておきます。
ガーミンマウントに取り付ける面。あの穴2本にボルトが通ります。
キャットアイのGPブラケットを受ける部分。
取り付け方法と組み立て手順
GPブラケットと自転車用カメラマウントを組み合わせる
購入した2つのパーツを、勇者王シリーズのロボットのように・・・・合体させると~・・・
ガシャーン!この様になります。
それぞれのパーツの凸凹部分の精度がしっかりと出ているので、ネジで固定しなくても吸着している感じ。
まるで純正品であるかのようなそのお姿。特にガタツキもなく、感触は硬めです。
キャットアイのGPブラケットにはネジが付属しているので、六角レンチ(アーレンキー)を使って仮締めをします。
精度が高くボルトも太いので重さのあるVOLT400やVOLT800を装着させても、動く気配はなさそうです。
VOLT800を装着してみました。
ライト受けはキャットアイ純正のブラケットなので、当然ながら問題はありません。
ガーミンの純正マウントに自作ライトアダプタを取り付け
さて、今度は自作した部品を、ガミーンの純正マウントに取り付けていきます。
自転車用カメラマウントに付属しているボルトだと短すぎる
自転車用カメラマウントには、取り付け用ボルト2本が付属しています。
パーツを重ね、ボルトを挿入して、六角レンチ(アーレンキー)で締めていきます。
ここで問題発生!
「あれ?あれ?・・・・あれ?」いくら回しても、固定されません。
Amazonのレビューに”ボルトを用意した”とか”取付面を加工した”とあったので、「これのことかぁ~」って思いましたね。
単純に付属のボルト10mmでは長さが足りていませんでした。
焦るあまり、ボルトをクルクル回し過ぎて、バターにするとこでした。
加工は全くの不要|断面を全て削っても無意味でした
※結果的に、ここの工程は無意味なので、決して真似しないでください。そのかわり、ボルト2本を別途、用意します。
早く完成させて、その雄姿を拝みたい私。現時点では、ボルトを買いに行くという選択肢などありませんでした!
「この凸部分2か所が邪魔なんだ」と思い、幼少時に幾多のガンプラを量産してきたニッパーで切除。
そして、ヤスリで削る。まるで、白い巨塔の財前教授のような手際の良さ。半裸でオーケストラの鼻唄まじりよ。
だがしかし、この時点でも、ボルトは全く届かず!
サイクリストの前線にいる者が、不要な加工に気が付かず時間を無駄にしたことを・・・心より恥じる!
「えーい、やってしまえ!」と残った凸部分も、全部切り取ってしまいました・・・。
が、やはり無理。ボルトは届かず!!
「出っ張りがボルト取り付けの邪魔をしている」と思っていたのですが、単純に「純正マウントとの接地面に隙間がある」ことに、この時点でやっと気がつきましたよ~。
ふ~・・・。
一刻も早く完成させたい気持ちが先行しすぎて失敗しちゃったなぁ。
「よし!ホームセンターでボルトを買ってくるか!」
加工の代わりに、別のボルト(M3×15mm)を2本用意する
60分後。
ハァ・・・ハァ・・・買ってきましたよ。
みなさんは事前に入手しておいてください。どのホームセンターにもボルトは売っているので。
購入してきたのは”六角穴付きボルト M3×15mm”。お値段150円なり。
M3というのは太さの規格で、ちゃんとわかりやすいように表記されています。15mmは長さね。
こんなに沢山いらないし、スチールでもよかったんですけど、あんまり価格差がないのでステンレスを選択。まぁ、雨の中走る可能性もあるしね。
左:ホームセンターで購入してきたボルト(15mm)
真ん中:自転車用カメラマウントの付属ボルト(10mm)
右:ガーミンのマウントに取り付けられていたボルト(5mm)
使わないボルトは、大事に保管しておきましょう。
ガーミン純正マウントの裏側のボルトを外す
やっと準備が整ったので、実際に取り付けていきましょう。
まずは、ガーミンマウントの裏にある2ヵ所のボルトを取り外します。もともとは純正バッテリーを装着するためのアダプタ部分です。
ボルトが外れると台座がカパっと取れるので、スモールパーツを無くさない様に気を付けてください。
サイコン受けとマウントはこんな構造してたんですねぇ。最初から取り付けられていたボルトは不要となるので、大事に保管しておいてください。本体の付属品と一緒に保管することをオススメします。
またサイコン受けだけを所定の位置に戻して・・・
必要ないだろうけど、念のための両面テープ。ここの工程も飛ばしてOK。
これが必要ないぐらい、ボルトでしっかり取り付けできますから。
自作したキャットアイ用のライトアダプタをボルトで固定する
購入してきた15mmのM3ボルトに、スプリングとワッシャーをかまして
無事に固定。
はぁ~、よかった。全てが無駄にならなくて一安心。
ただ1つ注意点がありまして、ボルトが”ボルト受け”を貫通しないように気を付けてください。サイコンが取り付けられなくなってしまいます。
私は”自転車用カメラマウント”の凸部分を切り取ってしまったため、1~2mm貫通。しかたなくスプリングで微調整しました。みなさんの場合は必要ないなず。
もう片方も、取り付けていきましょう。
お~、シッカリと、そして問題なく、取り付けできました~。
ガーミンマウントをキャットアイのライト用に変換した理由とメリット
では、”ガーミンのサイコン”と”キャットアイのライト”を取り付けてみましょう。
素晴らしい・・・メーカー間の壁が取り払われ、一つに統合されたそのお姿を・・・待ち望んでいたんよ。
ガーミン純正のアウトフロントマウントの下部を、キャットアイのライト用アダプタに変換する作業はこれにて完了。マウントのアームが1本なので、サイコン操作時にも邪魔になりません。
これでやっと、マウント難民から解放されるわ~。
自作アダプタのガーミンマウントは重量63gと軽量仕様
完成品は全部こみこみで重量は63g。どうです?軽いと思いませんか?
私が購入したレックマントType19(両持ちナロータイプ)は、92~93gだったと記憶していますので、約30g軽いことになります。
Type19を手放したのには「想像より重い」という理由もありましたので、同じ悩みを持っている方にもオススメできるアイテムです。
世の中には、ロードバイク1gの軽量化に1万円を出費する猛者もいらっしゃるぐらい。というかロードバイク趣味の人で、軽量化が嫌いな人はいませんよね~?( *`ω´) ドヤァ
DIYに必要な予算はたったの1300円
必要な物 | 価格 |
---|---|
ガーミンの純正マウント | 0円 |
GPブラケット | 300円 |
自転車用カメラマウント | 850円 |
ボルト(M3×15mm) | 150円 |
ガーミンのマウントを改造するのに必要な予算は約1,300円とコスパ最強です。
レックマウントが8,200円するのに対し差額は約7,000円。手間はかかりますが、浮いたお金でちょっとしたサイクルパーツが買えちゃいますよね~。
部品もAmazonで購入可能。翌日には到着するので、思い立ったらすぐにDIYできます。
自作マウント|実際の使用感をレビュー
純正品ならではのスタイリッシュさとスッキリ感
ロードバイクに自作マウントを取り付けた状態。実際に取り付けた状態でライドを行った際の使用感をレビューをしてみます。
2つのパーツは取り付けがしっかりしているため、振動によるライトのズレや脱落がなく、安心してライドを楽しむことができました。ライトの光を遮ることもないので、夜間でも十分な明るさを確保することに成功。
車体の中心にサイコンがくるようにマウントを設置して、角度を微調整します。ステムの延長線上になるようにすると横から見ても美しいと思います。
私のバイクのステムは8℃だったので、それに合わせましたが、太陽の光がサイコンに反射する場合は上下してください。
長期使用にも耐えうる固定力で強度はバッチリ
モデル名 | 重量 |
---|---|
ガーミン Edge530 | 82g |
キャットアイ VOLT400 | 108g |
キャットアイ VOLT800 | 136g |
ライト稼働部のボルトを本締めしたところ、緩さはなくシッカリと固定されています。
純正マウント63gに加え、ガーミンのGPSサイコン82g、キャットアイのライト108gの合計重量253g。マウントがいくら軽いとは言え、全体重量は手にもつとゾッシリと重たいので、走行時への影響は気になるところ。
「長期間の使用でどのくらい緩みが出てくるか?」
「重たいVOLT400や800を取り付けた状態で走行中の振動をどれくらい拾うか?」
は最初から気になっていましたが、結論から言うと全く問題なし。
あっ!あとは充電カバーの防水処理の補強かなぁ・・・。
キャットアイのライトアダプタの可動範囲は広い
ボルト400を装着した状態。ライトのお尻部分が当たる心配をしていましたが、スペースは十分。
ライト部分をキャットアイ用に改造したとはいえ、どちらも純正品のパーツを使用しているため広い可動域を確保できております。
ライト本体(Votシリーズ)を上下に動かしてみても、ハンドルやケーブルに干渉することはないので、幅広いロードバイクに取り付けできるかと思います。
ライトは平行過ぎるとハイビームになってしまうんので、下に傾けて歩行者や車の妨げにならないように気をつけてください。
フロントバッグも小型の物ならば使用可能
モンベルのような大型のフロントバッグは干渉してしまいますが、小さい容量のバッグならば併用して使う事が可能です。
だいたいですが、筆箱ぐらいのサイズなら全く干渉はしません。もう一回り大きくても大丈夫。二回り大きいとライトの後方に当たるかなという感じ。
ちなみに、バッグはダイソーで購入したペンケースにベルトを縫い付けて使っています。モバイルバッテリーや予備バッテリーを入れるのにちょうどいいサイズ。費用はたったの200円でした。
まとめ「導入が簡単で、予算も安い、しかも軽量」
ガーミンEdge 540の純正マウントにキャットアイのフロントライトを取り付ける方法について解説しました。
今のご時世、レックマウントだけでなく多くのサードパーティから、優秀な製品が販売されています。
しかし、そういった物を使用せず、ガーミンの純正マウントにキャットアイのライトを取り付けたいという需要もあるはずです、私がそうであったように。あとはレックマウントを軽量化したい人。
今回、ご紹介した方法ならば「入手しやすい、低コスト、簡単、軽量化」と良いことづくめ。誰でも不満点を解消できるかと思います。
①用意するものは、GPブラケット、自転車用カメラマウント、ボルトの3種類。
②必要な費用は、1,300円前後。
③必要工具は、六角レンチ(アーレンキー)のみ。
④難しいDIY要素は無し。誰でも作業可能な簡単工作。
①から④までの要素を達成すれば、
・ガーミンの純正マウントに、キャットアイのライト(VOLT400、VOLT800)を取付可能。
・重量は62g。(Type19より30g軽い)
”耐久性”と”走行時の振動”に関しても長期にロングライドでも問題は出ませんでした。
「高性能なGPStサイコン」と「キャットアイの明るいライト」を1つのマウントに組み合わせることによって、ライディングの快適性が飛躍的に向上します。騙されたと思って、ぜひぜひ試してください。
この記事を通じて、サイクリストの皆さんが実際に使用してみたくなることを願っています。ご質問やコメントがあれば、ぜひお寄せください。
それでは、素晴らしいライドをお楽しみください!
コメント
サラピエの自転車さんぽ様
いつも楽しく拝見しております。
さて、先日掲載されていたガーミンのマウントにキャットアイのライトを合体させる記事について質問があります。
記事の通り私もマウントを作成し、200kmほど走ったのですが、走行途中でボルトが緩み、ライトが落っこちました。私自身もボルトはしっかり締めていたつもりですが、気づいたら緩んでいました。何かサラピエ様の方で、緩まないような対策はされているのでしょうか?教えて頂けると幸いです。ちなみにライトはAMPP800を使用しています。
阿波のピナ乗り様
いつもブログをお読みくださり、ありがとうございます。
ライト落下の件は、残念でしたね。
ご質問の件ですが、記事にした以上の事はやっておりません。
ほぼ同じ重量のライトを半年以上、使用していますが微動だにしていないのが現状です。
緩まない対策として私が思いつくのは、下記の2点になります。
1.ボルトの間に、パッキンワッシャー(ゴムバッキンが圧着されているワッシャ)を挟む。
2.ボルトのネジ山部分に、ネジロック(金属製ねじのゆるみ止め接着剤)を使用する。
緩みが改善され、楽しい自転車ライフを送れることを願っております。