早いもので、もう9月。
今年も天候不順で、「夏が短かったなぁ」とおセンチな気分になりながらツィッターのタイムラインを眺めていたら、あるワードが大量に流れてきました。
『新型デュラエースR9200』
お~!ついに発表されたかぁと思い、早速、自転車情報サイトに目を通してみました。
私自身、いまだデュラエースは未経験ですが、毎回発表の度にワクワクしながらインプレやレビューを確認するもんです。結局、値段の高さに心折られ、アルテグラで妥協してしまうんですがね(^_^;)
でも、いいだもんっ!シマノの営業の方が「デュラとアルテグラはブランディングの差」と仰っていたんだもんっ!
さて、そんな中、どういった方向性で記事を書こうか考えたんですが、知ったかぶりをしても恥をかくだけですので、身の丈にあった所感を述べていこうかと思います。
デュラエースを使ったことない人間で、技術的な知識もない、理系ユーザーのような比較もできません。アルテグラユーザー、11速、リムブレーキ派の立場から、新型に乗り換えるべきかどうか参考になればと幸いです。
第10世代 DURA-ACE(R9200:12速)の特徴
シマノは今年、創立100年。 ツール・ド・フランスを始めとした世界各地の自転車レースに貢献してきており、今や自転車界のインテルと称されるほど欠かせない存在となっています。
プロに提供されるデュラエースも、初代から数えると48年の歴史をもち、今年で10世代目。
そんな「SHIMANO DURA-ACE R9200」の最大の目玉は、下記2点です!
・リア変速の12速化
・フロント&リアの変速、ワイヤレス化
カンパが既に12速化しており、ワイヤレスもスラムのeTapが元祖なので、目新しさは全くありません。
しかし、世界的な国産メーカーが、順当に進化した製品を世に送り出してくるわけですから、ワクワクしないはずがありません♪♪
私自身、コンポの多段化に関してはちょっと保守的なところがあるので、否定的な意見を述べるかもしれませんが、製品自体を否定したいわけではないので悪しからずご了承ください。
ちなみにですが、シマノ100周年を記念して、これまでの歴史を振り返れる公式動画があります。面白いのでオススメですよ~。
デュラエース(R9200)の価格と仕様
デュアルコントロールレバー(DI2)ST-R9270
- メーカー希望小売価格:56,018円(左右単体)/43,313円(リムブレーキ用左右単体)
- バッテリーは、自転車でお馴染みのボタン電池CR1632。
- 重量は、 ディスクブレーキ用のペアで350g。
シフターは、ペアで10万円越えとなります。
もうね、私のような人間からしたら、この時点で「あっ・・」ってなっちゃいます(´;ω;`)ウゥゥ
デュラが高いことは知っていますが、私の認識からすると機械式20万でフルセット購入可能というイメージ。
今回の場合は、パワーメーター付きのクランクを視野に入れいると50万円コースとなりそうですね。
レバーの電源となるボタン電池(CR1632)は1年半~2年ほどもつようなので、サイコンの電池と同じ感覚での交換になりそう。
小さいので予備電池を持って走れますし、出先での電池切れにもすぐ対応できそう。
リアディレイラー RD-R9250
- メーカー希望小売価格:88,704円
- 対応スプロケット:トップ11T/ロー28~34T
- 平均重量:215g
1つの家電と思えるほどの技術が使われているのでしょうが、変速機1つで9万円なり!もう私の財布がオーバーキルされました。
注目すべき進化のポイントは、変速スピードの向上。
先代モデル(R9100)と比較し、リアで58%速くなっているとの事。もともとプロに提供されるほどの製品が1.5倍の速さになるのは凄いかと思います。
ただ「機械式と比べたらどうなんだろ?」とも思います。〇倍とか〇%とかは、数字のマジックが使われることが多いので。
バッテリーの稼働時間は、約1,000km。ロングライド5~6回分と考えると十分ですね。
ワイヤレスが一般のロードバイクにも普及したら、ライドの後の充電が常識になる日は近いのかもしれません。
フロントディレイラー FD-R9250
- メーカー希望小売価格:49,550円
- 対応アウターチェーンリング:46-55T
- 平均重量:96g
面積、重量ともに先代モデルより小型化されています。
当然、変速スピードも進化しており、フロントで45%の高速化を実現。
個人的にワイヤレス化するメリットは、ココかなと思います。なんたってあの面倒だった機械式フロントディレイターの調整から解放されるわけですから。
そうそう触る場所ではありませんが、組みつけ&調整が簡単になるのはユーザーにとって喜ばしいところ♪
カセットスプロケット CS-R9200-12
- メーカー希望小売価格:39,270円
- 歯組:11-30T/11-34T
- 平均重量:223g(11-30T)/253g(11-34T)
12速化の重要なパーツとなるスプロケ。歯数構成は、割り切った2種類のみ。
11-30T:トップから7枚がクロスレシオになっていて、レース環境にも対応。
11-34T:ロー側を中心にワイドレシオ化、ロングライドに対応。
重要:CS-R9200 は、11スピード用のフリーボディにも対応。
これは素直に嬉しい!シマノ、グッジョブ!
最近のビジネスモデルでは、互換性を省いてコンポ内で完結するような風潮が強かったので一安心。
ホイールを新たに購入しなくてもいいのは、ユーザー目線で嬉しいですね♪
しかし、エンド幅が同じでギア1枚を増やすということは、各ギアの幅を薄くするということ。
耐久性を落として、パーツの買い替えを促進する動きは、ライトユーザーとしては看過できないですが、これも時代の流れ。多段化は今後も進むでしょうねぇ・・・。
クランクセット FC-R9200
- メーカー希望小売価格:67,452円/176,253円(パワーメーター付き)
- チェーンリング:54-40T/52-36T/50-34T
- クランクアーム長:160/165/167.5/170/172.5/175
- 平均重量:714g(54-40T)/692g(52-36T)/685g(50-34T)/774g
※パワーメーター付きはプラス60g
コンポの存在感を示すクランク。
動力を伝える重要なパーツですが、新製品情報の時にはあまり重要視していません。なぜなら、あまり代り映えしないですし、代用が効くから。
技術的な事を言うならば「最適化されたチェーンリングのため、コンポで統一する」のがいいのでしょうが、個人的にはミックスコンポ(種類の違うコンポ)で使用する場合があります。
11速で10速クランク、9速に10速クランクを使用していたときも、大きな問題は発生していませんでした。(※厳密に言うと、変速性能や耐久性に影響を及ぼしているでしょうが。)
デザインに関しては、R9100以降、安っぽい感じがして好きになれません。
R9000のデザインを受け継いで欲しかったなぁ。いまだに使用している人を見かけますが、パッと見で分かるほどの存在感がありますし、何よりカッコいい!
R9200へアップグレード・買い替えするべきか?
R9200 重量と価格の一覧表
仕事するフリをしながら、作成したR9200シリーズ一覧表です。パソコン画面を見られても、エクセル画面なら誰も気が付きはしまい。クックックッ。
- リムブレーキの組み合わせを黄色セル
- コンパクト構成を赤セル
- 価格はメーカー希望小売価格から消費税10%を上乗せ
重量に関しては、R9100と大差ありません。
12速化やバッテリーのことを考えると、重量に変化がないのは、実質軽量化しているのと同じなので純粋に凄いと思います♪
同時に発表されたR8100と比較した場合は、価格差と重量差がありそうなので住み分けは出来そうです。
価格のほうはワイヤレス化することによって一気に跳ね上がってきましたね。機械式だと20万円だった構成が、フルコンポで40万円以上必要となってきます。パワーメーター付きにした場合は50万円!
なかなか気軽に購入できる値段ではなくなりました๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐
スラムのeTap発売から5年?ほど経過しており、後発となるシマノは高性能・低価格の製品を投入してくると信じていたので、思いのほか高価で残念。
特許、開発費、ライバル商品の価格を鑑みて、この値段にしたのでしょうか?今後の基準となる価格になっちゃいましたね。
12速化&ワイヤレス化(ディスクブレーキ編)
私のバイクはR8000の11速、リムブレーキ構成。
ワイヤレス&12速化を行う場合、シフター・前後ディレイラー・スプロケの4点のパーツ交換が必須。総額28,9560円 (税込) の出費となります。
クランクに関しては、厳密に言うと、12速化してチェーンが細くなっているため、チェーンリングが最適化された同一コンポのクランクを使用するのが好ましいです。
しかし、今までの経験則からクランクは代用が効くため、私自身必ずしも交換必須とは思っていません。シマノは非推奨なのであくまで自己責任にありますが(^_^;)
ここで1つ大事な注意点があります。リムブレーキの自転車に乗っている人は気を付けてください。
この構成はディスクブレーキ専用であり、リムブレーキに対応していません。変速系は問題ないのですが、ブレーキに互換性がないため、アップグレードは不可能となります。
12速化&ワイヤレス化(リムブレーキ編)
しかし、まだ慌てる時ではありません。
ST-R9250というリム専用のシフターも併売されるんです。流石、世界のシマノ。しっかりとユーザー目線!
ディスク専用シフターとの価格差はマイナス25,410円。同じ構成にした場合、26,4150円(税込)必要となります。
んん?・・・・?あれ・・・?不穏な一文を発見。
あ~、ここで大きな落とし穴がありますね~。
ST-R9250は有線対応のみ。
つまり、大金をかけて12速化してもR9200のワイヤレス化を実現出来ないんです。
※ 12速の有線電動化になる。
いやいやいやいやいやい・・・・なんやねん!日本の、いや大阪のシマノ!
え~、ちょっと・・・いや・・・かなりショック!
リムブレーキが見捨てられたぁ・・・(TдT)
結論:リムブレーキ使用者は、R9200で12速ワイヤレス化をしたい場合、バイク買い替えも視野に入ってくる。
※ST-R9250(リムブレーキ用シフター)が諸悪の根源。
あえて機械式の11速という選択肢も
今回のラインナップを見てもらうと分かる通り、50年近く続いたデュラエースの機械式変速がついに姿を消すことになりました。時代の変化とはいえちょっと寂しいです。
そして、先ほどの結果からも分かる通り、リムブレーキを愛する人間にとっては今回の新型発表は特に魅力あるものではありませんし、今後もこの流れが変わることもないかと思います。
業界にとって、モデルチェンジ毎に互換性を排除したほうが、買い替え需要に繋がるのでしょうから。
今現在、リムブレーキのバイクに乗っている場合、シマノで12速ワイヤレス化したいのならばディスクブレーキ搭載のバイクに買い替えるしかありません。
「フレームに愛着がある」「リムブレーキがいい」という場合は、11速機械式コンポ(R9100や9000)を狙うの、も個人的にはアリのような気がします。
まとめ:デュラエース12速化はリムブレーキを切り捨てた
- 新型デュラエースの最大の特徴は、12速化&ワイヤレス化。しかし、対象はディスクブレーキの自転車のみ。
- リムブレーキ用のシフターは、有線しか対応してないため要注意。シマノで12速ワイヤレス化をしたい場合は、バイクの買い替え推奨。
- 今回の新型に魅力を感じない場合、最後の機械式11速のR9100を狙うのもアリ。
レース志向の場合、ギア1枚の増加、変速スピードの高速化、バッテリーのタフ化など、最新技術の恩恵を享受できる人は多いかと思います。
しかし、私自身はというと、のんびりロングライド派。いまだ「ディスクブレーキ」「12速化」に魅力を感じないので、R9200に換装を行うほどではないと言うのが正直な感想です。
今後、この12速化・ワイヤレス化の流れが主流になってくるのは間違いないでしょうから、高性能・低価格化した製品が発表された頃に再検討したので十分。
むしろ、機械式11速の歴史が終わったと知って、R9100がめちゃくちゃ欲しくなってきました。オークションで状態の良い物があれば9000シリーズでもいいなぁ。
メインバイクを11速デュラ化して、現在10速のサブバイクに余ったR8000を換装。2台を11速化して、消耗パーツを共有したい夢が広がっているところです。
今後、実際のレビュー記事やR8100の追加情報が出てくるのは楽しみなので、続報を待ちたいですね。
それでは、今回はここまで。
最後までブログを読んでくださり、ありがとうございました。
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