陰鬱な梅雨も終わりを迎え、7月は夏本番!
青い空に白い雲、夏にロードバイクを楽しむことは、多くのサイクリストにとって大きな喜び・・・なんですが、ちょと暑すぎやしませんかね?
35℃を超えるような炎天下でのライドには、熱中症や日焼けのリスクが伴います。これらのリスクを軽減するためには、適切な知識を得て対策を講じることが不可欠。
本記事では、夏の暑い時期にロードバイクに乗る際の危険性とその対策について詳しく解説します。
炎天下での運動による危険性
熱中症のリスク増加
熱中症は、体温が過度に上昇し、体が適切に冷却できなくなることによって引き起こされる状態です。
夏のロードバイクに限らず、全てのスポーツに言えることですが、炎天下での運動は体温調節が難しくなり、熱中症のリスクが高まります。熱中症は、軽度の熱疲労から重度の熱射病までさまざまな症状を引き起こし、最悪の場合は命に関わることもあります。
軽度の熱中症(熱疲労)
- 症状: 体温の上昇、頭痛、めまい、吐き気、倦怠感、発汗の増加。
- 対策: 体を涼しい場所に移し、水分を補給し、休息を取ることが必要です。
中程度の熱中症(熱痙攣)
- 症状: 筋肉のけいれん、特に脚や腹部のけいれん、汗をかいた後の筋肉の痛み。
- 対策: 電解質を含む飲料を摂取し、静かに休息を取ることが推奨されます。
重度の熱中症(熱射病)
- 症状: 高体温(体温が40℃以上)、意識障害、混乱、けいれん、皮膚が乾燥し赤くなる、呼吸困難、心拍数の異常。
- 対策: すぐに緊急医療を受ける必要があります。体を涼しい場所に移し、体温を急速に下げるために冷やす方法(冷たい水で体を濡らす、扇風機や氷を使うなど)を取ります。
特に、高温下で行うロングライドでは、太陽の光を長時間浴びるため、リスクが重大化しやすいのが特徴です。
脱水症状
暑い環境で運動すると、汗を大量にかくため、体内の水分と電解質が失われます。特に気温が高い日や湿度が高い環境では、汗の量がさらに増える傾向にあります。運動の強度と汗の量は下記の通り。
軽度の運動
軽いサイクリングでは、1時間あたり約0.5リットルの汗をかくことが一般的。
中程度の運動
中程度の強度でサイクリングを行うと、1時間あたり約0.7〜1リットルの汗をかく可能性があります。
高強度の運動
高強度で長時間のサイクリングでは、1時間あたり1リットル以上の汗をかくことも珍しくありません。
これが脱水症状を引き起こし、筋肉のけいれん、疲労感、頭痛、めまいなどの症状が現れます。適切な水分補給がなされないと、体調不良を引き起こすリスクが高まります。
パフォーマンスの低下
高温下での運動は身体全体に負担をかけ、集中力や持久力の低下を引き起こすため、運動パフォーマンスが悪くなります。
特に、ロードバイクのような長時間の運動ではこの影響が顕著。意識朦朧とした状態では事故のリスクもないとは言い切れません。
心肺機能への影響: 高温下での運動は心臓や肺に追加の負担をかけます。心拍数が上昇し、酸素の供給が難しくなることで、持久力が低下します。これにより、同じ強度の運動でも疲労感が増します。
筋肉の疲労: 高温環境では筋肉が過度に熱せられ、筋力や反応速度が低下します。これにより、重度の場合は自分の意思とは無関係に痙攣を引き起こし、運動の続行が不可能になります。
集中力と判断力の低下: 頭や温度が高まると、精神的な疲労感や不快感を引き起こし、集中力が低下します。特に脳は高温に弱いため注意が必要。体調不良になると、判断力や反応速度が鈍り、事故やケガのリスクが高まります。
夏の暑い時期にロードバイクを楽しむための対策
適切な時間帯を選ぶ
高温になる時間帯を避け、早朝や夕方など、比較的涼しい時間帯にライドを計画しましょう。日中のピーク時間帯(11時~15時)は避けるのが賢明です。
田舎では真っ暗になるのでオススメできませんが、灯りの多い都市部だとナイトライドとかいいかもしれません。
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適切な服装
通気性の良い軽量な服装を選び、体温を適切に調節できるようにしましょう。また、日焼け止めクリームやサングラス、帽子などで直射日光を防ぐことも大切です。UVカットのアームカバーやレッグカバーも効果的です。
日焼けも重度になるとただの火傷です。昨今の夏の紫外線に対して、半日がかりのロングライドでは半袖短パンが厳しい気候になってしまいました。
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定期的な水分補給
運動前、運動中、運動後に定期的に水分を補給することが必要です。特に、電解質を含むスポーツドリンクを摂取することで、失われたミネラルの補充も行うことができます。飲料水を携帯し、こまめに飲む習慣をつけましょう。
ロードバイクだと飲み物が入ったボトルを2つセット(500ml×2)できます。コンビニで1.5ℓの水を購入し、飲んだり頭から被ったりするのが夏のルーティン。
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休憩を取る
無理をせず、こまめに休憩を取りましょう。日陰や涼しい場所での休憩を心がけ、体を冷やすことが重要です。体調に異変を感じたら、すぐに体を冷やし、必要ならば医師の診断を受けることを検討してください。
自転車だと観光地やグルメ巡りをすることも多いので、クーラーの効いている室内を活用するべき。サラピエは朝晩は走って昼はスーパー銭湯でゴロゴロというスタイルをよくとります。
体調管理
とにもかくにも、自分の体調を常に把握し、異常を感じたらすぐに対応することが大切です。遠出したり、仲間と走ったり「せっかくだから・・・」と無理をしたら、自分だけでなく周りにも迷惑をかけてしまいます。
ライド前日にはよく食べてよく寝ること!普段から健康管理をしっかり行い、十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけましょう。
まとめ:暑い季節の安全対策を知ろう
夏の暑い時期にロードバイクに乗る際は、熱中症や脱水症状などのリスクを十分に認識し、適切な対策を講じることが重要です。
時間帯や服装、水分補給、休憩などの基本的なポイントを守ることで、安全に楽しくサイクリングを楽しむことができます。常に自分の体調に注意を払い、無理をせず、適切な判断を行うことが、炎天下でのライドを安全に楽しむための鍵となります。
安全に配慮しながら、夏のロードバイクを存分に楽しんでください。
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