ロードバイク・クロスバイクの値上げ!自転車が高い理由|GIANT2022年モデルも価格改定

サイクルパーツ

こんにちは、サラピエです。

2日前の出来事(2022年1月末)なんですが、Twitterのフォロワーさんから「GIANT値上げ」の情報を聞きました。

その時は特に何も思わなかったのですが、よくよく考えてみると「自転車メーカー最大手が値上げする」ってかなり深刻な状況に感じて、ググってみると・・・。

けっこう衝撃的な内容でしたね。

<重要> 商品価格改定のお知らせ
RIDE UNLEASHED わたしたちGIANTは、魅力的で幅広い製品ラインナップを通じて、世界中の人々を自転車という...

対象は全車種で、10~20%の値上げ幅、しかも期間は2月1日から

3~5%ぐらいを想定してたし、値上げまでの期間が短すぎる・・・。そして、パーツの供給不足から納期も半年から1年先と酷い状況に。

クロスバイク1台、ロードバイク3台を乗り継いできた生粋のGIANT大好きっ子としては非常に厳しい!

もし、ロードバイクやマウンテンバイクの購入を検討しているならば速攻で買いましょう。店頭在庫があれば速攻で買う!迷っていたら入手できませんよ~。

シマノの新型12速であるデュラエースやアルテグラが、大幅値上げされていた時点でこれは決まっていた未来なのかもしれません。こちらも納期8ヵ月先とかいう訳の分からない状態でした。

という訳で、今回のGIANTの価格改定。

どういう理由で値上げになったのか、状況把握と理由を確認していきます。

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GIANTが各バイクの値上げを発表(2022.01.21付け)

2022年1月21日(金)にGIATNから 下記の発表がありました。(詳細は公式HPから引用)

<重要> 商品価格改定のお知らせ

日頃より弊社製品をご愛顧いただき厚く御礼申し上げます。

昨今の世界的なコロナウィルス感染拡大等の影響による、原材料や運送費の高騰および為替変動を受けて、弊社では現状の商品価格を維持することが極めて困難な状況となりました。

つきましては、誠に遺憾ではございますが、2022年2月1日より商品価格の改定をさせていただきます。

引き続き商品の入荷が不安定な点につきましても重ねてお詫び致しますとともに、価格改定につきましても何卒ご理解を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

【対象商品】

2022年モデルGIANT及びLivブランドの完成車、フレームセット

【改定価格リスト】

希望小売価格(税込)リストPDF ▶

【値上率】

10~20%

【改定日】

2022年2月1日(火)

冒頭でも申しましたが、値上げ幅が大きく、値上げまでの期間が非常に短いです。

ユーザーとして最初に思うことは、「もっと段階的な値上げと猶予期間をもてなかったのか?」ということ。

ボヤいてもしかたないので、公式HPの値上げ後のPDFを見ていきましょう。

個人的に気になる部分にマーカーを入れてみました。

青色マーカーがTCRやPROPERの100万円を超すハイエンドモデル

黄色マーカーが30万のミドルグレードモデル

赤色マーカーが10万円台のエントリーモデル

緑マーカーがクロスバイク。実はココのモデルの値上げが重要だと思っています。

というのも、5万~6万円の価格帯に位置するモデルは、スポーツ自転車における新規参入の窓口を担っているモデルだからです。

ここで「高い!」と思われると、自転車人口が増えない恐れもあるんですよねぇ~。

クロスバイクは70,000円台|1万~2万円の値上げ

クロスバイクの代名詞で大ヒットモデルのESCAPE R3」

とりあえす悩んだら「コレ買っとけ」と言われるほどのコスパ最強モデル。ここから自転車の楽しみに目覚めて、ロードバイク乗りになった人も多いかと思います。

私もそうでした(^^♪

そんな定番のクロスバイクですが、今回の価格改定で1万の値上がり61,600円→71,500円となってしまいます。

う~、入門モデルでの1万円値上げは財布に厳しいなぁ~。

自転車廃人になってしまったら、10万~20万円のモデルが安く感じてしまいますし、1万円の自転車アイテムをポンポン買ってしまうようになります。

しかし、「ハマるかどうかわからない」「趣味になるかどうかわからない」時に購入する1万の差は結構大きく感じるもの。

自転車本体が6万円→7万円に変わったことで、「自転車を始めよう」という人の妨げにならなければいいんですが・・・。

ロードバイクは多くのモデルで約16%の値上げ

アルミのエントリーモデル「コンテンド」は12万円台に

「TCR」のレーシーな走行性能と「DEFY」の快適性を合わせ持ったオールラウンド・アルミロードバイク「コンテンド」

初めてロードバイクを購入する方や、いろんな使い方をしたいライダー向けに10万円から購入できるモデルでしたが、価格改定で12万円台まで値上がりしてしまいました。

アルミフレームの使い勝手の良さから、入門用バイクや通勤用バイクとして人気だったのに残念。

TCRのハイエンドモデルは16%(22万円)の値上げで159万円

そのメーカーの顏ともいえるハイエンドモデルは、最新の技術が惜しみなく使われ、ロードレースのチーム機材として供給されます。

【TCR ADVANCED SL 0 DISC】はGIANTの代名詞とも言われるTCRの最上位モデル。軽量性を剛性を両立しながら、快適性も併せ持つ万能型のレースバイク。

コスパ最強メーカーとして有名でも、ハイエンドとなると余裕で100万円をオーバーし、137万5千円と車並みの価格。

そんなとんでもない価格が、今回の価格改定で159万5千円に値上げされます。

上昇率は16%!価格にして22万円!

ロードバイクが1台買えるやん!高級ママチャリなら4台買えるやん!

PROPELのハイエンドモデルは15.6%(14万3千円)の値上げで105万円

最近、流行りのエアロフレームの【PROPEL ADVANCED SL 1 DISC】

エアロダイナミクスを最大限に追求し、主に平地や起伏の緩やかな道を高速で走るためのロードバイク。

その最上位モデルのお値段は91万3千円。約15.6%(14万3千円)の値上げで105万6千円になります。

30万円のミドルグレードは35万万円に値上がり

入門用からステップアップに考えるミドルグレードのモデルは20万~30万の価格帯になります。このあたりからアルミフレームではなく、カーボンフレームに。

今までは30万で購入できていた物が、35万円台からとなります。

10~20%の値上げとなっていましが、ロードバイクのメインとなるモデルは大体15%前後の値上げ。もともとの本体価格が高価ですので、改定価格は更にお高く感じます。

GIANTが値上げした理由を解説

コロナウィルス感染拡大等の影響による原材料や運送費の高騰および為替変動

ジャイアントのアナウンスには上記のように表記されています。これは自転車メーカーに限らず、昨今の値上げでよく耳にする要因ですよね。

コロナ渦は2020年の3月頃から本格化してきているため、2年間前の状況から値上げの要因となっているかを見ていきましょう。

※私は各分野の専門家ではないので、大まかに物事を捉えていますし、間違いがあればご指摘ください。

フレームやパーツの原材料が高騰した

ロードバイクなどの自転車の原材料で、パッと思い浮かぶのは、アルミとカーボン

下記のグラフはアルミニウム価格の1kg単価の推移を表しています。

グラフは縦軸が価格、横軸が期間を表しています。

2020年3月は160円だったものが、2021年末では350円までに上昇。

2022年現在ですと390円にまで高騰しています。

この2年間の間に、価格が約2.4倍まで上昇する形に。

次にカーボン(炭素繊維)です。

2021年4月の日本経済新聞炭素繊維、4年ぶり値上げ 東レが2割程度」という記事がありました。

カーボン業界を牽引する主な業界は、航空産業と風力発電。この2つが非常に堅調で、使用量が順調に増加していってます。需要が高まり、供給が追い付いてないとなると値上がりするのは必須。

微々たる量を細々と使用する自転車業界は、煽りを受けた形になってしまいました。

以上のことから、自転車の原材料であるアルミとカーボンは、しっかりと値上がりしています。

輸入するための運送費が高騰した

運送費の値上げも昨今では、良く目にする要因ですよね~。ステイホームで物流量が増えたとか、ヤマトの運賃値上げとか。

海外からの運送費のコストが上がったと言われて一番に思い浮かぶのが船の燃料代

この場合、タンカーなど大型貨物船の燃料代を指しますが、1日にかかる消費量は約100tにも及び、燃料代も100万~300万円が必要になってくる世界。

それを30日~40日かけて航海してくるわけですから、費用は数億円にも上ります。

ということを踏まえて、燃料代と密接な関係にある原油価格を見て行きましょう。

上記は原油価格の推移グラフ

縦軸が1バレル(159ℓ)のUSドル単価、横軸が期間を表しています。

コロナ渦が始まった2020年3月頃から急激に値上がりしていますね。

価格はどんどん高騰して、2022年現在だと4倍近くまで・・・。直前に価格の急激な下落もありましたが、中々びっくりするほどのV字を描いています。

これは中東諸国とアメリカの政治的な問題も関係してそうですが、石油原産国はウハウハやね~!

身近な物で言うとガソリンが3週連続で値上げ、2022年1月下旬には1ℓ170円を超えてきそうです。

くぅ~(´;ω;`)

車のガソリンも高くなる、自転車も高くなる、もう何に乗ればいいんだよぉ~・・・。

円安が原因?外国為替変動

最後に3つめの要因、為替(かわせ)。

GIANTは今や世界的にも有名な台湾メーカー

同じロードバイクでも、台湾モデルと日本モデルで自転車の本体価格が違ってたりします。台湾モデルの安さに何度、輸入を試みようと思ったことか・・・。

そのぐらい国によって価格差があるわけですが、それは為替の影響と言えるでしょう。

ウイグルなどの海外通販でも、ドルで決済する「ドル建」では、タイミングによって得することもあれば、損することもありますよねぇ~。

本社がある台湾側から見た状況は、台湾ドル高

基軸通貨のアメリカドルと台湾ドルを比較した場合、1ドル買うのに必要な台湾ドルの量が少なくなっています(=台湾ドルの価値が高くなっている)。

これは輸出に不利、輸入に有利という状況。

1ドル100円で購入できる物が、1ドル80円に変化。(⇒輸出では20円損する。輸入では20円得する。)

言い換えると、メイドイン台湾で作った自転車を輸出する場合、安く売ってしまうことになります。

逆にGIANTの日本法人から見た状況は、円安

2020年3月頃の106円から113円まで円安が推移しており、 1ドル買うのに円の量が多くなっています(=円の価値が低くなっている)。

これは輸出に有利、輸入に不利という状況。

1ドル100円で購入できる物が、1ドル120円に変化。(⇒輸出では20円得する。輸入では20円損する。)

言い換えると、 メイドイン台湾で作った自転車を輸入する場合、日本は高くお金を支払わなければなりません。

結果:値上げの正当性が証明されてしまった

3つの項目で値上げの理由を見てきましたが、いずれも非常に厳しい状況でした。

原材料も運送費も高騰の一途を辿り、為替も自転車メーカーには逆風の値動き。

ユーザーとしては「値上げも止む無し」と受け入れなければなりませんね~(>_<)

GIANTだけでなく自転車業界全体が値上げ

GIANTが値上げをしなけらばならない状況だとは理解できましたが、他のメーカーはどうなんでしょうか?

実は、2021年にはトレック・スペシャライズト・ピナレロ・ブリジストンなど大手が値上げを実施済み。

自転車に興味がない人でも、知らぬところで影響を受ける形になっております。アルベルトをはじめとした高級ママチャリなんかは5,000~10,000円の値上げ。

「あら~、昔に比べて、なんか高くなってる気がするわ~」

いや、実際に高くなってるんですよ!奥さんっっ!!

GIANTが値上げの期間を短くした理由

次に、「なぜGIANTが値上げの発表から10日間の猶予しか確保しなかったか?」を考えていきましょう。

私が思うに、それは「納期」!!

スポーツ自転車の納期は半年~1年先という状況

去年、私の知人がピナレロのプリンスを購入したのですが、これがまぁ~苦労しまして。欲しいモデルを決めて店を探すも、ないっ!ないっ!ない!!

とにかく物が店にないっ!仮にあったとしても、サイズ違い。じゃあ発注をお願いしたら?

いや~店としても発注をかけているんですけど、いつ入荷してくるかわからなくて・・・

という異常な状況に陥ってました。これはピナレロに限らず、他のメーカーでも同じ。

なので、GIANTの経営陣が考える事は一択。

値上げ期間を早めて、価格改定したモデルに切り替えたいという思惑があるのでしょう。

いつ納品するか分からないモデルを、安売りしたくないんでしょうねぇ。

ユーザーとして物を買うのが不利な状況

これはなにも自転車に限ったことではなく、多くの業界に共通します。

コロナ渦の影響で、需要と供給のバランスが崩れており、買い手のユーザーにとっては不利になっています。当然、価格交渉なんか出来るわけもなく、店には相手にされません。

今は、完全に売り手市場

私が趣味としているカメラもそう。半導体の不足により、納期が3ヵ月~6ヵ月先なんてのはザラ。

多くのカメラやレンズが入手困難。その結果、中古市場の需要が高まり、相場が上がっているんですよ~。

まとめ:物は高い、納期は未定!自転車を買うタイミングではない。

本記事で値上げの情報をまとめてみました。

GIANTが価格改定の大幅値上げ

  • 2月1日から全車種10~20%の一斉値上げ
  • コロナ渦による影響で、原材料や運送費の高騰および為替変動が原因
  • GIANTだけでなく国内外の自転車メーカーも値上げ実施済み
  • 供給のバランスが崩れており、納期が数ヵ月先という異常な事態

最初の印象では「無茶な値上げしてからに~」と思ったのですが、状況を知れば知るほど値上げせざるえない状況ですね。

むしろ、会社内部でコスト急騰を吸収できないメーカーは、昨年に次々と値上げしている中、 GIANT はよく頑張ってくれた方だと思います。さすが、自転車だけでなく、ギアやアイテムも作っている業界最大手!

疑ってすまんかったねぇ~、君はよくやってくれたよGIANT。

納期に関しても、在庫が少なく、入荷もいつになるかわからない事態に陥っています。ロードバイクやマウンテンバイクの購入は苦労すると思います。もし、運よく店頭に希望のモデルがあれば即購入しましょう!

知人がピナレロを購入した際には、全国の店に電話をかけていました。

値上げまでの短い期間は、ユーザー間での在庫争奪戦、椅子取りゲームになります。ハイエンドモデルになればなるほど、価格改定後の差額は痛いですから、急ぐのだ~。

みなさんにいい出会いがありますように(‘◇’)ゞ

それでは、今回はここまで。
最後までブログを読んでくださり、ありがとうございました。

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