【ロードバイクのタイヤ】適正空気圧を解説|仏式バルブに空気を入れる方法

メンテナンス

ママチャリからロードに乗り換えたときに最初に戸惑うポイントというものがあります。

それはバルブの規格について。

ママチャリは英式バルブが使われているのに対して、スポーツバイクは高圧に対応した仏式バルブになります。

なので、ママチャリに使っていた「空気入れ」でロードバイクやクロスバイクのタイヤに空気を入れることはできません。(中には互換性のある物もある)

仏式バルブの取り扱い自体は非常に簡単。また、タイヤにどのぐらい空気を補充すればいいのか各メーカー毎に適正空気圧は決まっております。

本記事では、メンテナンスの基礎「タイヤへの空気入れ」について解説していきます。

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本編に入る前の予備知識

タイヤには「クリンチャー」と『チューブレス』の2種類がある

現在ロードバイクのタイヤには2つの規格が存在します。

  • 一般的なのはチューブを利用するクリンチャー(CL)タイプ。
  • 最近の規格でチューブを利用しないチューブレス(TU)タイプ。

それぞれメリットデメリットがありますが、空気入れに関しては共通

「チューブレスって何?」という方は下記をご覧ください。

引用:GIANTのチューブレスタイヤ取り付けマニュアル

乗用車用タイヤのほとんどに採用されている規格なので、車が好きな人にはお馴染みかもしれませんね。

2020年に制定されたリムの規格「新etrto」

こちらはタイヤではないけど、リムの事だからタイヤに関係しているお話。

ホイールのリム内幅を取り巻く状況(C15⇒C17⇒C19&C21)はここ数年で目まぐるしく変化しています。

規格が乱立している戦国時代だったのですが、それを統一するべく制定されたのが新etrto規格です。

622-15C622-17C622-19C622-21C
700-23C22mm23mm24mm
700-25C24mm25mm26mm
700-28C27mm28mm29mm
700-30C29mm30mm
©パナレーサー組み合わせ表記

現在、市場には新規格と旧規格の物があり、同じ23C表記であっても新旧で〇〇mmが違っていたりするので、注意してください。

ご自身のタイヤやホイールに何が使われているか自身が無い方は、自転車屋に訊いたほうがいいかもしれません。

ロードバイクのタイヤにある適正空気圧とは?

という事を踏まえた上で、空気入れの解説をしていきます。

今回のケースはクリンチャータイプかつ旧規格

ママチャリからクロスバイク&ロードバイクに乗り換えたときに、一番初めに覚えなければならないのがタイヤに空気を入れる方法。

もうね~、これを知らないなんて、侍が刀を知らないようなもんよ!スポーツ選手がルールを理解してないようもんよ!!Youtuberがカメラを持ってないようなもんよ!!!

まぁ、要するにむちゃくちゃ大事です。

そして、ママチャリ時代、空気を適当に入れてパンパンになったらやめる人が多かったと思いますが、本日から「適当」は卒業しましょう。

スポーツバイクに限らず、タイヤは適正な空気圧が定められております。

自転車のタイヤメーカーによって、設定は様々ですが、確認方法は共通になっています。

適正空気圧の表記はタイヤのサイドにある

コンチネンタル GP4000SⅡの場合

タイヤの側面にはの商品名の横やメーカー名の横に数字と英語が記載されています。

〇〇BAR / 〇〇PSI / 〇〇kPA

複数の単位がありますが、意味は同じ。国よって規格が違うだけです。日本で馴染みがあるのはBARですね。

私が使用している「コンチネンタルのGP4000SⅡ」というタイヤの場合、最大で8.5bar(120PSI)まで空気を入られるという意味合い。

今回のように最高の空気圧だけ表記しているタイヤもあれば、最低~最高までの範囲指定があるタイヤもあります。

では、違うタイヤも確認していきましょう。

コンチネンタル GP5000の場合

タイヤのサイドには「25mm」表記のみ。

旧規格で700×25C(新規格では25-622)、推奨空気圧は95-120PSIとなっています。

コンチネンタル UltraSportⅢの場合

GPシリーズより廉価版となるウルトラスポーツ。

旧規格で700×23C(新規格では23-622)「max8.5Bar / 123PSI」という表記。

パッケージにはミニマムの表記もあり、下限は「max7.5Bar / 109PSI

ビットリア ホームトレーナーの場合

こちらはローラー台専用の赤いタイヤ。

旧規格700×23C時代の代物で「7-10Bar/100-145psi」の表記。

パナレーサー クローザープラスの場合

こちらは旧規格の700×23C。

サイドには「700-1050kPa(7.0-10.5bar 100-150PSI)」という表記があります。

このように基本的にはタイヤのサイドに適正空気圧が表記されています。

GP5000のように、表記がないケースもあるので、その場合は公式HPで確認しましょう。

空気圧(圧力)の単位は3種類

数字の横にあるアルファベットは大文字だったり小文字だったり統一性がありませんが、意味はどれも同じ「空気圧(圧力)」を表しています。

主に使われる単位は下記の3種類

  • kPa(キロパスカル)」現在、国際的に主流となっている単位。
  • bar(バール)」大気圧によく使われ、欧州で主流な単位。
  • psi(ポンド・スクエア・インチ)」ポンドを使っているアメリカで主流な単位。

ちなみに日本だと「 kgf/cm²(重量キログラム毎平方センチメートル)」ですが、自転車では上記に移行していっています。(※車の空気圧はこれが主流。)

自転車だと「bar」と「psi」をよく見かけるので覚えておきましょう。

単位の換算比率

1bar=14psi=100kPa

単位の換算は上記の通り。どの単位を用いるかは、空気入れのメーターに合わせると良いでしょう。

仏式バルブ(フレンチバルブ)の空気の入れ方

多くのロード・クロスによく使われているのが、写真の仏式(フレンチ)バルブという規格

バルブが細長く華奢ですが、最大の特徴が高い空気圧にも耐えられる構造です。スピードを追求する自転車競技にうってつけ。

ただし、「仏式バルブに対応し高圧まで耐えられる」専用の空気入れが必要となります。

定番のパナレーサーのフロアポンプ

初めての1本ならエアゲージ付きのフロアポンプを選びましょう。空気圧の管理が楽になります

私は、最初に携帯ポンプを購入して大変でした💦

仏式バルブの先端を緩める

プラスチックの保護キャップを外した後は、バルブ先端にあるボルトを左(反時計回し)に回して緩めま

これで栓が解放されて、空気を入れる準備が整いました。

この作業を忘れると、どんなに頑張っても空気が入らない

バルブの先端を一瞬押して空気を軽く抜く

必要ないことが多いですが、念のため説明しておきます。

栓がバルブの中でくっついていて空気が入りずらい時があるので、ポンプをセットする前にバルブの先端部分を上から押してください。

一瞬押すだけでOK。ブシュと空気が抜け、空気の通り道をこれで確保できました。

空気入れのヘッドをしっかりと装着

続いて、ポンプの空気を入れるヘッドを仏式バルブに挿します。

この時、バルブの軸に対してまっすぐに奥まで挿しましょう。

差し込みが浅いと、空気が入らなかったり漏れやすくなります。

軸に対して曲がってしまうとバルブ先端の細い部分が破損します。

曲がったり折れたりしないよう、まっすぐ挿すが基本

空気入れの固定レバーを持ち上げる

ポンプを奥まで挿せたら、ヘッドの固定レバーを締めてください。

ポンプのパッキンが締まりバルブと固定され空気が入れらようになります。

やや硬いのでレバーをとじる際にバルブ先端を曲げないように注意しましょう。

ハンドルをポンピングして空気を入れる

ポンプのゲージが、今の空気圧を示してくれているので、あとは全身をつかいポンピング。

ロードバイクのような高圧になると、しっかりと体重をかけて押し込まないと空気が入らないので焦らず急がずゆっくりストロークします。

フロアポンプと携帯ポンプに共通していますが、毎回しっかりとフルストロークさせることが大切です。

空気入れのハンドル部分を、一番引っ張り出した状態から一番押し込んだ状態まで上下させましょう。

空気圧を好みに合わせて調整してみる

ロードバイクやクロスバイクのタイヤで、適正空気圧の下限や中心値は「6.5~7bar=95~110psi)」となっていることが多いです。

ただこれはあくまで目安なので、適正空気圧の中で、好みの柔らかさ(硬さ)にしてOKです。

あなたはどちら派?「乗り心地」か「転がり抵抗」

引用:フリーフォト

ロードバイクに慣れてきたら、タイヤの空気圧も変更してみましょう。

サイクリスト
サイクリスト

もっと乗り心地を良くしたい
もっとスピードを出したい

このときに、メーカーが設定した適正空気圧の「範囲」に意味が出てきます。

タイヤの空気圧を「低くしたり・高くしたり」上下に調整することで、走行に違いがハッキリ出てくるんです。

2つの要素に影響がある】

  1. 空気圧を低めにする:クッション性を重視(乗り心地の良さ)
  2. 空気圧を高めにする:スピードを維持しやすくなる(転がり抵抗が低い)

ただし、2つはトレードオフの関係でメリット・デメリットが存在します。

乗り手の体重、生活スタイル、乗り方」によっても異なるので、自分にとってベストとなる空気圧をみつけていけばいいでしょう。

空気圧を低めにセッティングした場合

街乗りやポタリング向け

  • クッション性が増して、乗り心地が良くなる。
  • 路面からの振動が少なくなり、乗り手が疲れにくい。
  • タイヤが変形することで路面抵抗が増え、スピードが出にくくなる。
  • 路面との接地面が増え、タイヤ表面が削れるのが早い。(寿命が早い。)

特に注意して欲しいのが、写真のようなリム打ちパンク

タイヤの空気を極端に抜き過ぎることによって、ホイールのリムと段差にチューブが挟まれることにより、傷ついてパンクを起こします。

その他にも全体的な乗り味がボヨンボヨンして「コーナリングでよれる(グリップ力がない)」と悪影響が出てきます。

空気を抜く場合は、マイナス1barほどにとどめておきましょう。

空気圧を高めにセッティングした場合

レースやロングライド向け

  • タイヤの変形量が減るため、路面抵抗が減りスピードが出しやすい
  • 路面との接地面が少なくなるのでパンク予防に役立つ。
  • タイヤが硬くなることで乗り心地が悪化する。
  • 路面の細かい振動を拾いやすくなるので、乗り手が疲れやすい。

一長一短はありますが、個人的には空気を高めにするほうがメリットの恩恵が大きいと思っています。

Eバイクを除き、自転車という物は人力です。そのパワーを効率良く推進力に変換するためには、タイヤの変形を防ぐ必要が出てきます。

乗り味の悪化に関しては、サイクルウェアで対処が可能。手の振動ならばサイクルグローブ、股への振動はレーパンで相殺しましょう。

タイヤの幅25cがスタンダードになった現在、グリップ力を気にする必要はありません。

タイヤに空気を入れる頻度の目安

ロードバイクのタイヤは、小まめな空気圧管理が重要です。

空気を高圧に入れられる分、空気が抜けやすいからです。ママチャリだと1ヶ月以上空気をいれなくても、問題なかったりしますけどね~。

理想は乗る度に空気をチェックすること

  • 1週間に1度、空気を入れるならば問題なし。
  • 10日で「あれ?空気抜けた?」と感じる場合も。
  • 14日もたつと指で押したときに凹むかも。

前回から2週間経過したり、タイヤを指で触ってブヨブヨしたり、走行に違和感を感じたら空気が足りない証拠です。

空気圧が低いままだと、パンクリスクが増えますし、なによりペダリングが重い!

街中でママチャリのタイヤが潰れているのを見かけると、いつも心の中で思うんです。「空気入れたら、もっと楽になるよ~」って。

まとめ:タイヤの空気管理はとても重要

本記事では、タイヤの空気圧と入れ方について解説しました。

ちょっと長くなってしまいましが、ロードバイクに乗るなら基礎的な知識であり、とても重要なのでしっかりとマスターしてください。

本記事のポイント

ロードバイクのタイヤ:適正空気圧のまとめ

  • タイヤメーカーによって数値は変わるが基本は6.5~7.5barを目安にする。
  • 慣れてきたら、適正範囲内で前後の調整をする。
  • 空気圧の調整は、それぞれメリット・デメリットがある。

仏式バルブへの空気の入れ方

  • ポンプをセッティングする場合は、まっすぐ挿す
  • ポンピングは全身をつかいフルストローク
  • 少なくとも2週間に1度は空気を入れる

それでは、今回はここまで。
最後までブログを読んでくださり、ありがとうございました。

サラピエ
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本記事はサラピエが執筆しました。

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コメント

  1. 橋本 眞樹 より:

    カメラ重量など込々乗車で空気圧6.5barがお好みでしたら、PIRELLI P ZERO ROADがおススメ。体重65kgの私が17Cリム幅/24Cタイヤを使用する時の適正圧=6.5bar(カタログ値)です。24Cは怖い?と感じられるのでしたら26Cタイヤを。こちらは私の体重で6.1barが最適圧です。体重1kg増減するごとに±0.05barの割合で空気圧増減させればほぼカタログ通りのスペック値になります。この銘柄は適正圧一覧の付いたパッケージに入ってます。他のタイヤにもある程度数値の応用効くかも。ご参考までにどうぞ。

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