ママチャリだと自転車屋さんに任せるイメージが強いですが、スポーツバイクだと「自身で直す」とい人も多いんじゃないでしょうか?
ロードバイクやクロスバイクだと必然的に長距離を乗るようになるので、トラブルに合う確率も増えます。
出先のパンクが郊外で、自転車屋がないという事も珍しくありません。
そのため「パンクは自分でも直せる」必要が出てくるわけです。
本記事では、メンテナンスの基礎の1つ「パンク修理」の必要性と手順について解説していきます。
パンク修理を習得するメリットは2つ
修理キットを持っていれば郊外でのトラブルに対応
私が絶対にマスターするべきと断言した理由がこちらの写真。
わかります?
こういう「何もない場所」というのが問題となります。
ママチャリ時代ならば自転車に乗るフィールドの範囲は街中。パンクしてもスマホで検索して一番近くの自転車屋に駆け込めば済む話です。時間的なロスは数十分から1時間程度でしょう。
しかし、ロードバイクやクロスバイクに乗り始めると「ある欲求」が強くなってきます。
もっと遠くに行きたい!
もっと知らない場所に行きたい!
もっともっと走りたい!
有名な自転車道やサイクリングコース、ときには街を飛び出し、走りやすい郊外や僻地へ行く。
ロングライド、ブルベ、キャノンボール、自転車旅、〇〇一周、〇〇横断、〇〇縦断、そういう状況では、自力でトラブルを解決しなければなりません。
遠出した土地で、こういう状況に陥らないために、自転車のパンク修理は出来るようになっておかなければなりません。
他の誰のためでもなく、正真正銘、自分のため。私自身、最初ころ非常に困った覚えがあります。
自分でパンクを直せれば修理費が安くすむ
車種 | パンク修理 | 前輪チューブ交換 | 後輪チューブ交換 |
---|---|---|---|
ママチャリ | 500~1000円 | 約2000円~(チューブ+工賃) | 約3000円~(チューブ+工賃) |
ロード・クロスetc | 1000~1500円 | 約2500円~(チューブ+工賃) | 約3500円~(チューブ+工賃) |
こちらの理由はちょっとこじつけ感がありますが、まぁちょっと聞いてください。
上の表はパンク修理に必要な料金になっています。一般的にママチャリよりスポーツバイクのほうが修理費(工賃のみ)が高くついてしまいます。表向きは安全に走るためにプロの技術料が入っていると・・・。
スポーツバイクはメンテナンス性が優先されているので、ママチャリより圧倒的に修理がしやすいです。
やる事は同じ、手間はかからない。それでも、ママチャリより修理費が高いんです!!
「ほんとに技術料~?簡単なのに~?なんか足元見てない~?」
と思うのは穿った意見かもしれません。
もちろん、全否定しているわけでなく、状況に応じて「自身とショップを使いわけできるようにしましょう」という意味なので勘違いしないでくださいね。
プロショップのパンク修理講座に参加するのもオススメ
もし、我流が不安という人は、プロショップに相談してみましょう。今は「パンク修理の講座」を定期的に開催しているお店も多いです。
週末に参加者を募り、月に何回か開かれています。
プロの知識で、手順を丁寧に、かつ実践方式で教えてくれるので、その日のうちに習得可能。
修理キットはツールボトルに入れてサイクリング
自身での修理するためには、修理キットを常時持ち歩く必要が出てくるわけです。
一般的にはツールボックスに収納し、ボトルケージに差しこんでサイクリング。
自分でパンク修理できるようになれば、どんな場所にも行きたい放題!
冒険気分で、知らない風景を見に遠出してみませんか?
私はコンパクトさを重視して下記を使用。
【ロードバイクのツールボトル】中身とおすすめの使い方を紹介!
パンクの種類は大きく分けて2種類
だれしも子供時代に経験ある自転車のパンク。
通学時、友達と遊んでいるとき、気が付いたら、状況は様々。楽しい気持ちを邪魔されたり、生活の時間を奪われるので、テンションはガタ落ちしちゃいますよね~。
原因は走行中にタイヤの中にあるチューブに穴が空き、空気が抜けてしまうため。
【症状は大きく分けて2つ】
- 小さい穴や亀裂から徐々に空気が抜けていくスローパンク。
- 大きな穴などによってタイヤ自体が一気に飛散してしまうバースト。
よっぽどのことがないかぎり、我々が経験するのはスローパンク。
スローパンクはキットを使って修理可能ですが、バーストした場合は、傷口が大きいのでチューブを交換するハメになります。
自転車のパンク修理キット:中身と値段は?
ロードバイク購入時に揃えたいのが、パンク修理キット。その場で対応でき応急処置用の携帯アイテムです。
ゴムのりを使う従来の物。最近だとシールタイプのパッチなどお手軽で人気です。
迷ったときには「パナレーサー」を選びましょう。あと以外に思われるかもしれませんが、ダイソーで販売されているキットも、全く問題なく使えます。
チューブに空いた穴を塞ぐパッチ
まず、チューブに空いた穴を塞ぐためのパッチ。紙ヤスリもセットで付いてきます。
値段は100~500円程度。
昔ながらのゴムのりを使うタイプから、シールのように貼るだけのワンタッチタイプもあります。
ぶっちゃけて言えばゴムのシート。どの製品も大差ないので、好きな物を選んで大丈夫。
100円ショップ(ダイソー)の物が安いので、補充する際によく利用しています。
タイヤのビード部を外すタイヤレバー
ホイール(前輪・後輪)からタイヤを外すためのレバー。
値段は500~1,000円程度。これも好みで選んでOK。
私は取っ手が太い物が好みなので、家ではパークーツール(右下)のレバーを使用。
逆に、携帯用には実用性より薄くてコンパクトなシュワルベ(左下)を持ち歩いています。
穴を塞いだ後に使用する携帯ポンプ
パンク修理の最中と終わった後に必要となる携帯用ポンプ。
チューブの穴を塞いでも空気入れが無ければ走る状態にはならないのでこれも必須。
値段は2,000~3,000円程度。
フロアポンプはエアゲージ付きの物が便利ですが、携帯ポンプはコンパクトさを重視しましょう。
特にオススメなのがLANDCASTのポンプ。今までの常識を覆すほど楽に空気を入れられるため、一時期ネットでブームになり「例のポンプ」という二つ名までつきました。
ええそうです、私も例のポンプ・・・持ってますよ・・・。
バースト対策や時間短縮に予備チューブ
修理で対応できないときや時間を短縮するときは、新品の予備チューブに交換します。
普通ならば1つあれば十分ですが、自転車旅や過酷な道を走る場合は複数個持っていくと安心。
パンク修理は家に帰ってゆっくりしましょう。
パンク修理のやり方を解説
続いて、ロードバイクやクロスバイク向けに修理の手順を解説します。
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れると10~15分程度で終わらせることができます。
修理時のポイントはとにかくチューブを噛ませない!挟ませない!捻じれさせない!
バルブを緩めて空気を抜く
最初にタイヤの空気を抜きます。
スローパンクなどパンク穴が小さいと、チューブ内に空気が残っていることがあります。
空気が完全に抜けけてないと修理の邪魔になるので、仏式バルブの先端を指で押し、空気をしっかりと抜いてください。
バルブの根元に付いているネジを外す
空気が抜けたら、次にチューブをホイールから引き抜きます。
ネジが付いたままだと、チューブを完全に外す事ができません。
ネジを反時計周りに回して、完全に抜き取ります。
タイヤとチューブを完全に分離できたら、作業に取り掛かりましょう。
タイヤレバーをタイヤのビード(サイド)に差し込む
ホイールからタイヤのビード(タイヤの側面)部分を外します。この時、外すのはタイヤの片側だけ。
作業開始する位置は、バルブ穴の反対側から始めるとよいでしょう。
タイヤレバーをホイールとタイヤの間に挟み込み、力を入れてスポーク側まで倒します。
レバー1本で難しい場合は、2本同時に挟み込みましょう。
挟み込む位置の目安は、スポークの間隔が2~3本分離れたところ。近すぎても遠すぎても、力をかけにくいので、ほどよい距離を探ってください。
タイヤレバーを倒してビードを外す
タイヤのビートがホイールのリムから外れたら、ホイールの外周に沿ってレバーを滑らせていきましょう。
気持ちよくタイヤが外れていくはず。
一回りしてタイヤの片側がすべて外れたら次のステップに進みます。
チューブをホイールから取り出す
タイヤの片側が外れたら、中からチューブを引き出します。
パンク箇所が分かっていない場合が大半なので、チューブを完全に取り出しましょう。
そのほうがチェックしやすいです。
空気が漏れている場所を探す
次は、パンク穴を探します。
取り出したチューブにポンプで空気を入れて膨らませます。外出時のトラブルならば、チューブに耳や顏を近づけ、空気漏れしている場所を特定してください。
パンク穴の周辺をヤスリがけ
パンク穴を見つけたら穴の周辺にヤスリがけをします。
これはパッチを剥がれにくくするために必要な作業、段差は極力削り落としてタイラにします。
ヤスリがけをする範囲は、パッチの大きさを考慮して一回り大きく。ロードバイク用のパッチは小さいので、穴を中心に3センチほどで大丈夫です。
接着剤(ゴムのり)を薄く塗る
ヤスリがけのゴムカスや汚れを落として、ゴムのりを薄く引き伸ばしてください。
ゴムのりと同じ範囲で、パッチより大きめを意識します。
夏は3~5分、冬なら5~10分程度待って乾かします。
パッチの銀紙を剥がす
銀紙を端から剥がします。
滅多にありませんが、パッチも一緒に剥がれることがあります。
そのときは、銀紙をちぎるように切れ込みをいれて、内側から外側へと剥がすと綺麗な状態を保てます。
剥がしたパッチの接着面には、なるべく指が触れないようにしましょう。
指の油分が接着面に付くことで、パッチがはがれやすくなります。
空気溜まりができないようパッチを貼る
透明フィルムが外側になるように裏側からパッチを貼り付けます。
空気が残らないよう気を付けてください。
パッチがチューブに張り付いたら、タイヤレバーを透明フィルムの上からこすりつけます。
中心から外の方向へ空気が抜けるに密着させてあげましょう。
地面に置くと傷がつくので、ツールボックスの上や足の甲を利用します。
パッチを貼り終えたら、一度チューブに空気を入れ、空気漏れがないか確認します。
数分の時間を置いてチューブが萎んでいなければ、穴はしっかり塞がっているはず。
タイヤに異物がないかチェック
問題ないか待つ間に、パンクの原因を確認しましょう。
釘やトゲなどの異物を踏んでいた場合、タイヤにまだ残っている可能性があります。
タイヤの外側はもちろん、内側もチェックして、刺さっていたら取り除きましょう。あとは、リムテープに傷が無いかも確認。
チューブに少しだけ空気を入れる
タイヤに問題なければ、チューブに空気を入れて少しだけ膨らませます。
透明フィルムを剥がす
チューブとパッチがしっかり張り付ているのを確認しつつ、透明フィルムを剥がしていきます。
空気漏れがないか最終確認
修理箇所に耳を当て、空気漏れの音がしてなければ修理完了。
お疲れ様でした。
あとはチューブをタイヤに戻すだけです。
タイヤ内にチューブを収める
最初にホイールの「バルブ穴」にバルブを差し込んでおきましょう。
そのあと、チューブ全体をタイヤとリムの間に収納していきます。チューブがねじれないように注意。
こういう場合は空気の入れすぎで、綺麗にチューブが収まりません。
ホイールやタイヤのサイズに合うように少し空気を抜きます。
タイヤのビードをリムにはめ込んでいく
チューブが収まったら、タイヤ側面(ビード)部分をホイールにはめ込んでいきます。
バルブ穴の反対の位置から左右均等にビードを手で押し入れていきます。親指でビードをぐっと押し上げるようにして、ハメられるところまではめていきましょう。
リム中央にビードを落としタイヤをハメる
バルブ穴に近づき、残り1/3くらいになるとキツくなるので、チューブの空気を少し抜きます。
そのとき、タイヤを前後に揉むようにしてビードをリム中央のくぼみに落としこみます。
ホイールの中心は凹んでいるため、中心部にタイヤを落とし込んだほうが、ハマりやすくなります。イメージとしては左右で引っ張りながら、収束点に向かっていく感じ。
ハメこみがキツいときはタイヤレバーを使用する
タイヤとホイールの相性によっては、スッとハマる場合があります。ただ「これ規格あってのるの?」と思うぐらい最後がキツキツな場合も。
なかなかスムーズにはめ込めないときにはタイヤレバーを活用しましょう。
どうしても、タイヤレバーを使いたくない人は、ホイールを体に押し付けながら、力いっぱいに手の腹で押し込むめが解決するかも。
チューブの噛み込みやネジレに注意
タイヤを装着できたら、チューブが正常に収まっているか最終確認。
ネジれていたり噛んでいたりすると、バーストの原因になります。
慣れないと、ついついチューブを乱暴に押し込んでしまいですが、無理やり押し込むと2度手間の原因に。
左右1周分、タイヤをめくりあげ、タイヤの硬い部分にチューブが挟まっていないことを目視します。
バルブ付近の噛み込みに注意
特にバルブ穴付近はチューブが挟んでしまうことが多いので、バルブを押し込んで動くかどうかをチェックしてあげましょう。
大丈夫だったら、バルブの固定ネジを根本まで取り付けます。
あとは適正空気圧まで空気を入れます。
これにてパンク修理は完了!お疲れ様でした。
裏技:チューブの交換時はパウダー使用で固着を防ぐ
パンクする時はめちゃくちゃパンクするし、しないときは全くしません。
もちろん運もありますが、空気圧の管理や安全な路面を選んでいると「1年間パンクなし」ということ珍しくなくなります。
長期間、タイヤとチューブが接していると引っ付いてしまうことがあるんですよね~。それこそ「破れるんじゃないか?」と思うぐらいに。
そういう固着を防ぐためにタイヤパウダーというものがあります。専用品でお値段は1,000円ほど。
チューブの交換時に、パウダーをチューブにまぶします。
ただ、使う頻度が多いわけではないのでわざわざ買うほどではありませんが、あったらあったで便利なアイテム。
そこで試して欲しいのが、ベビーパウダー!!
日本全国のドラッグストアで安く購入できますし、効果も変わりません。
パウダーを手にとってチューブ全体にすり込むだけ。
交換するときだけでなく、事前に用意しておくと便利。
これで固着を予防できるので、1年経過しようがスルっと分離してくれます。
まとめ:パンク修理は自分のためにマスターしよう
本記事では、パンク修理の必要性と手順について解説しました。
ロードバイクに乗るなら基礎的な知識であり、とても重要なのでしっかりとマスターしてください。
最近のプロショップだと、初心者向けにパンク修理の講習をやっていたりもするので、購入店に相談してみてください。
それでは、今回はここまで。
最後までブログを読んでくださり、ありがとうございました。
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