先日、ロードバイクを倒してしまい、変速機が一番軽いローに入らなくなってしまいました。全体的になんとな~く、変速するけど、ロー側が全体的にチリチリする感じ。
ディレイラーハンガーが内側に曲がってしまったのが原因だと思われます。
交換作業はとても簡単なので、パーツの重要な役割や入手方法も合わせて解説していきます。
※交換方法のみ知りたい方は「目次の4」をクリックして記事を飛ばしてください。
ディレイラーハンガーは曲がるのが役割
ディレイラーハンガーとはフレーム本体と変速機を繋げる(吊り下げる)パーツを差します。
値段はメーカーによって違いますが1,000~2,500円程度。消耗品なので、安く設定されています。
「え~、そんな余分なパーツを付けずに、直接、フレームに取り付ければいいじゃん」と思うかもしれませんが、とっても重要な役割があります。
なので「破損してしまった=正常に機能」した証明。
ディレイラーに大きな衝撃が加わったとき、ハンガー部分が力を分散させてくれた結果なんですよ~。
もし、フレームに変速機を直接取り付ける方式ならば、力が逃げることなく、自転車本体に深刻なダメージを負ってしまうでしょう。
それを防ぐために、強度が弱いパーツとして使われています。
転倒やブツけたときに内側に歪むのが正常
今回の私がそうであるように、ディレイラーハンガーが曲がる原因は「転倒やブツけてしまった」ことが原因になります。
スタンドを利用しているため、もう何十回も自転車を倒している私。ディレイラーとレリーズの大きな傷を見てもらったら、ご理解いただけるかと・・・。
そして、それは必ず衝撃によって内側に歪みます。「内から外側に歪む」ということは通常ではないんじゃないでしょうか。
破損に繋がる要因は日常に潜んでいる
人によって破損させてしまう状況は様々ですが、私の場合は「写真撮影中に転倒させてしまった」というパターンが一番多いです。
スタンドとディープホイールの相性が悪く、強い風が吹いていたら煽られてさ・・・愛車がさ・・・。
倒れる瞬間はスローモーションに見えますが、だいたい間に合わないっ!
ガシャーン!!あぁ~・・・・。
リアディレイラー本体に深い傷が・・・・。
こういうケースは地面と接触しているので、曲がっている可能性が濃厚。
ディレイラーハンガーって本当にデリケート。
でもいいんです!身をもってフレームを守ってくれたんだから名誉の負傷よ!!
おそらくですが「風で自転車を倒してしまった回数」は日本一だと自負しています。
なので、輪行中でも、車載中でも、走行中でも、保管中でも衝撃を加えてしまったら、変速機能をチェックしてください。
これは余談になりますが、落車や転倒してしまったら変速機能とは別に、フレーム全体もチェックしたほうがいいでしょう。
こんときゃ震えたね~。
ウレタン塗装が割れ、下の塗装までえぐれてましたから・・・。
ハンガーより深刻なダメージを負っている場合もあります😭
ハンガーが曲がったときの症状は?
リアディレイラーの取り付け部分が、内側(ホイール)に湾曲するので、単純に変速が狂います。
「走れなくなる」という緊急性はありませんが、特に、ロー側がめっちゃ狂う。シフトダウンして、シフターはもう動かないのに、一番軽いギアに入ってない。
そこまで酷くなくても、チリチリと異音を立てるようになるのですぐに分かるでしょう。
曲がり方が軽微な場合は、変速機の微調整で応急処置が可能。
ディレイラーハンガーは1度のみ修理可能
ディレイラーハンガーが折れてしまったら、基本的には交換推奨。
なのですが、在庫状況によって交換できなこともあります。
その場合、1度だけなら修理(曲げる)は可能です。
ディレイラーハンガーの異変に気が付いたら自転車屋に持ち込みましょう。直せる場合もありますが、曲がりが酷い場合は、修正不可と判断されます。
理由としてはもともと強度の弱いパーツ。何度も変形を加えていると、走行中にポッキリという危険性がわるわけです。
個人でも専用工具を使えば直せなくはないが…
Amazonでも専用の修正器具が売っているので個人でも修理は可能。
ただ、金額が高いので、新品のディレイラーハンガーを予備として2つ購入したほうがいいかも。
手持ちの工具でなんとかしようと、ペンチや万力で無理やり曲げようとしないでください。
均等に力が加わらないので、修理ではなく破損の原因になります。
ディレイラーハンガーにはメーカー毎の規格がある
ディレイラーハンガーの役割と交換の重要性はご理解頂けたと思いますが、次は入手方法と選び方を解説していきます。
自転車屋(メーカー取扱店)を利用する
始めてディレイラーハンガーを購入するなら、プロショップを訪問しましょう。
というのもコンポーネントのようにモデル名が分かるわけではなく、年式や車種によって、使われている物が違います。つまり汎用性のあるパーツではなく、互換性がない。
※コスト削減のためにメーカー内で共通ハンガーを使っている場合もあり。
流用のきかない特殊なパーツなので店舗で注文をして、メーカーから取り寄せになります。その時に必要となるのはメーカー名、モデル名、年式の3つ。
私が乗っているGIANTならば、ジャイアントストアという直営店を利用するのが一番早いと思います。(高確率で在庫はある)
自転車屋を利用する場合は、「初めての修理なのか?」「前に修理しているのか?」正直に申告しましょう。
ネットで互換性のある汎用モデルを注文
自身の愛車のモデル名さえ分かれば、ショップに頼らず個人で取り寄せることも可能。
Amazonや楽天にはサードパーティーから互換性のある汎用モデルが販売されていますしね~。
お店で取り寄せするも良し!ネットショッピングで注文するも良し!
生活スタイルにあったほうを選びましょう。
交換作業に必要な自転車の工具
六角レンチ(アーレンキー)
自転車を整備する上で欠かせない工具。
WeraやPBの六角レンチ(アーレンキー)が有名ですが、100円ショップ以外の物なら何でもOK。
自転車メンテナンスにはWeraは硬すぎるので、私はPBを愛用中。
メンテナンススタンド
あったほうが作業の効率が上がるメンテナンススタンド。
後輪を外すためクイックレリーズを使わないタイプが好ましいです。
1つめはミノウラのチェーンステーを利用するタイプ。
2つめは、フレームを固定するタイプなので、プロショップのような作業ができます。ただ、重くて高いです。
ディレイラーハンガーの交換手順
続いて、ハンガーの交換手順を解説します。
- 後輪のホイールとリアディレイラーと取り外す必要だけ。
- シフトワイヤーとチェーンは取り付けたままで大丈夫。
ボルトを緩めて、締めるだけの単純作業です。
自転車のリアホイール(後輪)を外す
最初にリアホイールを外します。装着したままの作業はちょっと難しいかと思います。
メンテナンススタンドがあれば便利ですが、出先など環境が十分でない場合は逆さにしましょう。
※私の場合、撮影のためチェーンも取り外しています。
フレームからリアディレイラー本体を外す
「5mmの六角レンチ」を使って、リアディレイラーを固定しているボルトを反時計回りに緩めていきます。
RD-R8000の場合は、左にある黒いボルトではなく、右側のシルバーのボルトです。
注意してください。
ボルトを緩めて、ディレイラーを取り外せた状態。
今回の作業でワイヤーやチェーンは関係ありません。
フレームからディレイラーハンガーを外す
ここは、規格によってボルトの位置やサイズがまちまちです。
私のバイクは「2mmの六角レンチ」を使い、2ヵ所のボルトを外しました。
取り外し後は、ウェスとパーツクリーナーで、余分な油や砂など汚れを落としておきましょう。
新品のディレイラーハンガーに交換
用意した新品のハンガーへ交換です。
今までと逆の手順で、ボルトを締めるだけ。
ねっ?本当に簡単だったでしょ?
ボルトが固着するのを防ぐため、ネジ穴にはグリスを塗ってから、作業してみました。
あとはボルトを締め込んでいくだけですが、締め付けトルクに注意。
一般的に小さなボルトは、弱い力で締めるもの。今回は1Nmで締め込みました。
リアディレイラーをフレームに取り付け
リアディレイラーを元に戻します。
ボールポイントで仮止めをしたのち、8~10Nmで締め込んでいきます。
ディライラーハンガー交換時の注意点
今回の最大の落とし穴はここ!
R8000の変速機を裏側から見た状態ですが、ハンガーのツメに、ディレイラーの下のツメが乗っかるようにセッティングしましょう。
これはシマノの説明書にも記載されていること。
くれぐれもディレイラー側の上のツメを引っかけないように気を付けて。
間違った取り付け位置ですからね~。
これで取り付け作業は終了。あとはホイールを装着するだけです。
変速位置がズレてしまった場合は、ディレイラーの調整を行ってください。
ツールボトルに予備のお守りとして
ディレイラーハンガーは、壊れやすい設計であり消耗品とお伝えしました。
この状況や経験のない人は想像できないと思いますが、別の言い方をすると「すぐに走行不能」になります。
なので、ロングライド・ポタリング・サイクリング問わず、一つ予備を持っておくことをオススメします。軽い物なので、ツールボトルに入れておいても邪魔にはなりません。
外出先でハンガーが曲がってしまっても、近くに自転車屋がある保証はありません。
予備があれば自分ですぐに直せますし、人のいない僻地でのトラブルにも対応できるので安心感が違います。
まとめ:ディレイラーハンガーは曲がるのが役割
本記事では、役割、入手方法、交換手順をご説明しました。
ディレイラーハンガーは、ちょっとしたミスで曲がることの多いパーツです。金属疲労を引き起こさないために、1度だけの修理におさえ、基本的には交換をしましょう。
曲がりを放置したり、破損を何度も修理すると、重大な事故につながるかもしれません。消耗品として値段も安く設定されているので、予備を複数用意しておくのが好ましいです。
それでは、今回はここまで。
最後までブログを読んでくださり、ありがとうございました。
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